元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂さん(52)が、パニック障害や「重度のうつ」に悩まされた過去をテレビ番組で語った。
テレビでの普段の発言から、一茂さんに対してマイペースで天真爛漫なイメージを持っている人も多く、ツイッターには「知らなかった」「すごく意外」といった声が寄せられている。
回復に向かい始めたきっかけ
一茂さんは、読売テレビ(日本テレビ系)で2018年6月24日に放送された「八方・陣内・方正の黄金列伝!」に出演。過去に「重度のうつ」となり、「自殺衝動がすごい」という状況だったことを語った。
異変が起きたのは1996年で、30歳の時。当時、父・長嶋茂雄さんが監督を務めていたプロ野球巨人で2軍生活を送っていた。ある日、食事中に過換気症候群で呼吸が困難となり、家の中でも「天井がぐるぐる」回るように。「ノイローゼ状態」になって練習にも行けなくなり、その年のオフに戦力外通告を受けて引退した。
引退後は芸能界に転じ、テレビに出演していたが、症状はその後も10年以上続き、42歳の時(2008年)に「完璧に重度のうつ」となってしまった。その年、長年世話になっていたお手伝いの女性と祖母、母を立て続けに亡くしたことが引き金となった。「自殺衝動がすごい」状態となり、「お前が死ね、お前が死ね」という幻聴が聞こえ、「常に包丁、毎晩のように持ってました」と明かした。聞き手の陣内智則さんらは驚きの声を挙げていた。
回復に向かい始めたのは47歳の頃(2013年)で、「いつ死んでもいい」と開き直ったことだった。もうすぐ死ぬから、と飲んでいた薬もやめ、「そっから良くなっていった」と明かした。04年に生まれた娘たちの存在も大きかったとも。
「北朝鮮のミサイルごときでギャーギャー言うなと」
こうした内容が複数のスポーツ紙(ネット版)でも報じられると、ツイッターには、
「天真爛漫なイメージが強い一茂さんが鬱を経験されたとは驚いた」
「常に自分の道を突き進んでいるように見えていたので、すごく意外」
「知らなかった。ごめん」
といった反応が相次いだ。
一茂さんは野球選手引退後、スポーツキャスター活動や各種バラエティ番組への出演などでお茶の間でもお馴染みだ。現在は、情報番組「モーニングショー」(テレビ朝日系)の曜日コメンテーターとしての活躍も続けている。時に能天気なコメントで物議を醸すこともあり、たとえば17年9月の北朝鮮によるミサイル発射の時には、
「(セ・パ両リーグともマジック1で)北朝鮮のミサイルごときでギャーギャー言うなと」
と発言して話題となった。
一茂さんは、過去にも自身の著書『乗るのが怖い-私のパニック障害克服法』(幻冬舎新書、2010年)などで、自身の「パニック障害」や「うつ」について告白していた。このため、ツイッターには
「有名な話」
といった反応もあったが、知らなかった人も多かったようで、
「本当に勇気づけられます」
「回復して生きててくれてよかった」
と、応援する声も寄せられていた。