中国電池メーカーのマンモスCATL  上場時価2兆円でも残る不安

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下がり続ける粗利率

   しかし、遅くとも2020年までに、中国政府は国内の電池市場の保護を解除する見込みだ。そうなると、CATLはいずれ正面きって日韓の電池企業との戦いを迎えることになるだろう。

   新エネルギー貨物車で知られる容大智造の創業者・王祖光氏は次のように見ている。

「生産能力と技術がCATLの二大城濠であり、中でも技術による保護効果はより肝要なものだ。CATLは電池においてしばらくリードしていた技術によって、瞬く間にマンモス企業へと成長した。しかし、それは決して非常にたくましいマンモスというわけではない」

   CATLは生産能力の急速な拡大を図っているが、粗利率は下落している。2016年の43.7%から2017年には36.29%に減少しており、2018年第1四半期はさらに32.77%まで低下している。

   2017年、自動車用電池の生産能力の速やかな増強と新エネルギー自動車の補助金政策の調整の影響を受けて、自動車用電池システムの販売価格が大幅に下がり出しており、それが同社の粗利率の下降を招いた。

   さらにCATLに近い人物は、以下の懸念を示している。

「CATLの管理、技術、グループはいずれも強いが、それは結局のところ政策のおかげで食べながら大きくなってきたのだから、彼らは現状に甘んじるのではなく、迫りくるリスクについて考慮すべきであり、外部からのボーナスがすべて消える前に、自力でご飯を食べられる力を身に付けなければならない」

   「吹く風もいずれ止む日がある」。国家の補助金政策が収縮を続けている中、世界の動力電池技術も新旧交代が加速している。それゆえ、CATLはIPOや資金調達、生産能力の拡大、市場シェアの拡大、技術の向上により、言わば城濠の構築を急いでいる。こうしなければ、国家政策と高額の補助金により瞬く間に肥えた企業は、真の生存能力を得ることができない。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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