中国電池メーカーのマンモスCATL  上場時価2兆円でも残る不安

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   2018年6月19日に日本のフリーマーケットアプリ大手のメルカリが、東京証券取引所の新興企業向け市場「マザーズ」に上場し、いきなり時価総額が7千億円を超えた。その少し前に、6月11日に中国の電池メーカー、CATL(寧徳時代新能源科技)も深セン証券取引所のマザーズに上場し、19日時点では時価総額がすでに1267億元(2兆1500億円、1元は約17円)と、メルカリの3倍に達した。

   2011年12月、CATLが『企業法人営業認可証』を取得した時、登録資本金はわずか100万元だった。中国の新エネルギー自動車という風に乗り、市場や技術、特に政策による補助金の下で、同社はわずか6年半の間に、BYD、パナソニック、サムスンなどの国内外のライバルを追い抜いて、世界シェア第1位の自動車用電池システムサプライヤーに変身した。

  • 北京など中国の主要都市では、ほぼすべての大型駐車場に電気自動車用の充電設備がある
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中国内外の主要EVに電池を供給

   株式上場によって、CATLは生産能力の拡張を継続することを望んでいる。

   中泰証券の統計データによると、2017年のCATLの自動車用電池出荷量は12GWhで、中国市場で約30%のシェアを占めただけでなく、この年に世界市場において販売量でトップに躍り出た。

   メディアの報道によると、昨年から、CATLは激しい勢いで業務を拡大しており、毎日24時間生産しても終わらないほど仕事があるという。

   CATLは、投資家募集の意見書の中で、生産能力の不足は「企業競争力の劣勢の一つ」、また「当社が今抱える顧客の新エネルギー自動車の生産量は拡大する一方であり、新たな顧客の開拓が続いており、今の生産能力では将来的な市場のニーズを到底満たせない」と記されている。

   中国工業・情報化部などの三つの部(省)及び委員会が2017年4月に発表した『自動車産業の中長期的発展計画』では、2020年までに、国内の新エネルギー自動車の年間生産販売量を200万台にすることを打ち出している。また2025年までに、新エネルギー自動車が自動車販売に占める割合を20%以上にすることも言及されており、市場のニーズにはまだ大きな余地がある。

   この時代のボーナスによる加勢もあって、新エネルギー自動車業界に流れる資金が次第に増大している。CATLは昨年一年間だけで電気自動車メーカーNIO(蔚来汽車)やWM Motor(威馬)汽車などIT企業系自動車ブランドなど119社もの新たな顧客を見出している。CATLの販売量は増加の一途を辿っている。同じく中泰証券の統計データでは、2018年の第1四半期の国内市場におけるシェアは30%から50%にアップしたという。

   また、厦門大学・中国エネルギー政策研究院の研究員である王爾徳氏がメディアに紹介した話によれば、CATLはすでにBMWやフォルクスワーゲン、日産などの世界で一流の自動車メーカーの動力電池供給システムの中に入っておりCATLとBMWなどとの間では、合同で投資をしてカスタマイズされた生産ラインを研究開発している。

   CATL最高経営責任者(CEO)黄世霖氏が外部に語った話によると、2020年までに、CATLの動力電池生産能力は50GWhに達する見込みだという。自動車一台当たりの電力量を80KWhで計算すると、寧徳時代一社だけで60万台以上の新エネルギー自動車の電池のニーズを満たすことができる。

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