「アジジ作戦」――。サッカーのロシア・ワールドカップ(W杯)H組で日本代表と戦うセネガル代表の練習場に、エースFWサディオ・マネの姿がなかったことで、インターネット上でこの言葉がホットワード化した。
それは20年以上前に用いられた。日本が初めてのW杯出場を決める「ジョホールバルの歓喜」が起きる試合前のことだ。
「これは完全にアジジ」
セネガル代表は日本時間2018年6月21日、24日の日本戦に向けて練習。22日の「Nスタ」(TBS系)では、メディアに冒頭15分だけ公開されたその模様を伝えたが、エースのマネがいなかった。
中核選手の「練習不在」。西野朗監督も要注意選手として「マネでしょう」とあげており、仮にコンディション不良で日本戦欠場となれば、日本に有利に働くのは間違いない。
インターネット掲示板では「こりゃ日本勝ったわ」「出てもコンディション不良なら神風吹いてるだろ」「なんかセネガル戦も勝てそうだな」と勝機を見出す書き込みが相次ぐことになった。
だが情報戦との指摘も多く、
「全力で日本を潰しにくるよ。アジジ作戦」
「西野のコメント受けての情報戦か でもなアジジ作戦は通用しねえぞ」
「これは完全にアジジ」
と、「アジジ」を引き合いに出す声も少なくない。
「アジジ作戦」とは、1997年のフランスW杯アジア第3代表決定戦・日本対イラン戦で、イランがとったもの。主力FWコダダド・アジジは試合前日、日本の報道陣の前に「車いす」に乗って登場した。「欠場か」とも報じられたが、試合には素知らぬ顔で先発出場。1-0の日本リードで迎えた後半開始直後に同点弾を叩き込むなど躍動した。車いすは日本を油断させようとしたのか、というわけだが、当時の岡田武史監督らはウソと見抜いて気に留めなかったという。