プロ野球セ・パ交流戦の阪神タイガース対千葉ロッテマリーンズが2018年6月19日、阪神甲子園球場で行われた。その観客は2万4127人で、実数発表となった05年以降、甲子園球場で最少の人数となったと、6月20日の日刊スポーツ(8版)などが報じた。
しかし、最少記録とはいえ、他チームと比較すると決して少ないとも言い切れない人数でもある。
稀に見る悪条件でも2万人超え
試合が行われた6月19日の甲子園球場は悪天候、サッカー日本代表のロシア・ワールドカップ(W杯)・コロンビア戦が21時から行われ、前日には大阪北部地震が発生、さらに雨天中止による11日の振替と、悪条件が重なり記録された「最少」だった。これまでの最少記録は11年10月20日の対横浜戦で2万4688人。
ツイッター上では、悪条件での試合に、「無理はしていただきたくないものです」など開催に疑問の声はあったが、観客が2万人以上入ったことに、驚きの声を上げる人や感嘆する人もいた。
ジャーナリストの岩上安身さんは、
「たしかにスタンドは見た目にはガラガラなのだが、400年ぶりに震度6の地震に見舞われ、梅雨時で雨が降り、ドームではないからずぶ濡れ、さらにサッカーW杯で日本が南米相手に歴史的勝利。なのに阪神の試合に2万人以上の観客が詰めかけていることに驚愕。虎ファンに脱帽」
と、ツイッターに投稿。
インターネット掲示板「5ちゃんねる」の「【野球】雨、W杯、地震重って...甲子園の阪神戦最少観客」というスレッドでも、反応があった。
「それでも2万4000入るのは流石と言わざるを得ない」
「平日、雨、W杯、地震で2万4688人(編注:2万4127人)って逆に凄いわw」
平均入場者数は12球団中1位
何故、ここまで人が集まるのか。
日本野球機構(NPB)が発表した6月19日現在のセ・パ両リーグの入場者数によると、阪神タイガースのホームゲームにおける1試合平均の入場者数は4万1664人で、読売ジャイアンツの4万976人を上回り12球団中1位となっている。これに比べると2万4127人は平均の57.9パーセントと、決して多いといえない。
しかし、他球団と比較すると多さが浮き彫りになる。
例えば、19日の対戦相手である千葉ロッテマリーンズの1試合平均入場者数は2万2218人。また、阪神と同じ関西球団であるオリックス・バファローズは2万2606人で、いずれも2万4127人を下回っている。
各球団のホーム球場の席数を踏まえた今季途中までの動員率も見てみる。甲子園球場は4万7508席なので1試合平均の動員率は87.6パーセント、ZOZOマリンスタジアムは3万119席で73.7パーセント、京セラドーム大阪は3万6154席で62.5パーセント(記者計算、地方主催試合は除く)と、動員率でも阪神は頭ひとつ抜けている。
甲子園球場での試合としては少なくとも、一部球団からすると十分な客入りとも言える。
強さと人気が比例しない
交流戦成績においてはオリックスが2位、ロッテが3位で阪神は大きく離されて11位と、入場者数と逆にチーム成績では阪神が最も下だ。
セ・リーグの成績でも、阪神は順位の入れ替わりが激しく20日時点で4位とBクラスで「借金生活」を送っている。また、日本一は1985年を最後になく、日本シリーズ進出は2014年にあったもののリーグ2位で、リーグ優勝は05年以来ない。