ロシア・ワールドカップ(W杯)F組で、韓国が0-1で敗れたスウェーデン戦をめぐり、韓国国民が憤りを隠さない。
大統領府ウェブサイトの「国民請願」コーナーに投稿が殺到しているのだ。「判定の再審査」を要求するものが多いが、怒りの矛先はスウェーデンにも及ぶ。
「再試合を要求」
2018年6月18日のスウェーデン対韓国戦は、0-0で迎えた後半19分、韓国のペナルティエリア内でキム・ミヌがクラエソンにスライディングタックル。一度は流されたものの、今大会から導入されたビデオ判定「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」で再確認した結果、PKの判定となった。冷静に決めたスウェーデンがこの1点を守り切り、逆に韓国は大事な初戦を落とした。
F組の他国は強豪揃い。前回覇者で優勝候補のドイツと、6大会連続ベスト16入りのメキシコが名を連ねる。「死の組」において決勝トーナメント進出を果たすには、スウェーデンと韓国いずれにとってもこの試合での勝利が絶対条件という意識で臨んでいたのは間違いない。
大事な試合はPKの1点、それもビデオ判定の末に泣く結果となった。韓国国内では怒りの声が充満しているようで、大統領府の国民請願コーナーにはこのスウェーデン戦をめぐって大量の請願が出されている。投稿後に20万人の賛同が集まれば、大統領府に回答義務が発生する仕組みだ。たとえば以下のような請願がある(賛同者数は19日夕時点)。
「シン・テヨン監督更迭とサッカー協会の特別監査を請願する」(1321人賛同)
「スウェーデン戦審判の判定の再審査を要求」(170人賛同)
「FIFAに対し、スウェーデン戦の不公平な判定の抗議を」(136人賛同)
「韓国とスウェーデンの再試合を要求」(11人賛同)
サッカーの試合自体への不満にとどまらず、「スウェーデンにミサイルを発射して」(9人賛同)、「スウェーデンのイケア不買運動」(2人賛同)など、国そのものに対する過激な請願も複数見受けられる。いずれも賛同者は20万人には程遠いため、国の回答義務は発生しそうにないものの、韓国国内の不満ははちきれんばかりのようだ。