福井市立小学校の30代男性教諭が月100時間以上の残業を申告したところ、教頭が過少に改ざんしていたことが、市教委へのJ-CASTニュースの取材で分かった。
市教委は、この教頭を口頭で厳重注意するというが、文書改ざんという重大な案件だけに懲戒処分を求める声も出ている。
男性教諭が記録を改めて確認し、改ざんに気付く
出退勤記録については、教員がパソコンを使って表のソフトに記入し、教頭を通して市教委に毎月報告することになっている。
市教委の学校教育課が2018年6月19日までに校長から聞いたところでは、男性教諭は、5月分について、国の過労死ラインの目安である月100時間を超えて残業を申告した。地域の体育祭などの学校行事が多く、準備などで忙しかったという。
ところが、この申告を見た教頭は、本人の了解なしに、100時間を少し下回るよう書き換えて、過少に市教委に報告した。理由はまだはっきりしないという。男性教諭が記録を改めて確認して改ざんに気付き、今回の事態が発覚した。
男性教諭は、月100時間近くの残業をすることが多かったというが、100時間超えは18年度では初めて。市教委が校長に勤務状況を聴いたところ、この男性教諭に偏って仕事をしてもらっていることはないという。
男性教諭は、「仕事が多すぎる」と嘆いていた
市教委では、近く男性教諭に話を聞くほか、教頭を呼んで口頭で厳重注意するとした。
小学校の校長は、「今回のことは市教委で対応していますので、コメントは差し控えさせて下さい」と取材に答えた。
福井市教委によると、教員については、例えば教職関係の本を読んでいるのが仕事なのか捉えづらいとして、残業代は支払われていない。しかし、働き方改革を進める中で、勤務実態を知ろうと、教員に出退勤記録を付けてもらっている。
出退勤表では、月100時間を超えると赤字で表示される。800~900人ぐらいいる教員のうち、残業が月100時間を超えるのは2、3人いるというが、特定の決まった人ではないという。
男性教諭の関係者は6月19日までに、男性教諭は「仕事が多すぎる」と以前から嘆いていたと、J-CASTニュースの取材などに証言した。管理職の教頭については、少なくとも懲戒処分にするべきではないかと指摘している。