日大アメフト部の悪質タックル問題で、田中英壽理事長(71)が、記者会見しない理由について、「ただ笑い者にされて利用されるだけ」とOB会で説明していたと報じられた。
それは、レスリングのパワハラ問題で栄和人氏(57)が謝罪した会見についてのテレビの扱いを見て判断したというのだ。
フジのバイキングに「言いたい放題のことを言ってね」
「あまり早く出て行ってもね」。田中理事長は、2018年6月15日に開かれた日大校友会常任委員会で、タックル問題で会見することに躊躇する胸の内を語った。発言については、TBS系情報番組「あさチャン!」が18日、参加者提供の映像で紹介した。
それによると、田中理事長は、栄氏の14日の会見について、フジテレビ系情報番組「バイキング」がこの日に取り上げたことを挙げ、「8チャンネルのバイキングですか。ああいうところで、さんざん笑い者にされちゃってるんですよね」と話した。
「謝罪は一生懸命しているんだけども、その内容が悪いとかいいとかね、言いたい放題のことを言ってね。ただ笑い者にされて利用されるだけなんです。特に、日本大学は、もっとそれをやられているわけですよね。ですから、何でもかんでも出ていくといいもんでもない」
その一方で、会見をしないと決めているわけではないと強調した。
「ただ、出る機会もありますからね。時期を見て、それに対応していこうというのは一番正しい方法じゃないかと、こう思っております。まあ、そういうことも踏まえて皆様にご協力をお願いしたい」
坂上忍、「さらなる墓穴みたい」と反論
その理由として、田中英壽理事長は、「しっかりとこの問題に対応していかなければ、アメリカンフットボールの生徒たちにも多大な迷惑がかかるし、一般の学生においても大変な迷惑になると思います」と述べた。
会見する時期は明言しなかったようだが、大塚吉兵衛学長は6月1日、7月中に第三者委員会が結論を出した後に田中理事長が答えると思うと報道陣を前に発言している。
とはいえ、校友会常任委の終盤で、参加者から「適切な対応を誤った大学の責任は重大」だなどと指摘されると、田中理事長は、「なんか起きると私、必ずいじめられるんですよね」と愚痴をこぼしていた。
TBS系「あさチャン!」が紹介した田中理事長の発言については、フジテレビ系「バイキング」は6月18日、司会の坂上忍さん(51)が番組冒頭で取り上げた。
「他局で『バイキング』っていう名前が出て来て、ヘッと思ってびっくり」したといい、番組を見てもらって光栄だとしながらも、「僕らにとっては、悲しい気もします」と感想を話した。出演者からは、「何をもって笑われると言ってるのか分からない」という声が上がり、坂上さんは、「表に出ず、説明責任を果たさない中で、このようなことを裏でおっしゃってる」「さらなる墓穴みたいになっちゃってますね」とあきれていた。
「下手なんだよ、とにかく」と栄氏バッサリ
田中英壽理事長が言及した「バイキング」の14日放送を見ると、栄和人氏がどこかでタイミングがあれば伊調馨選手(34)に謝罪したいと会見で語ったことについて、司会の坂上忍さんは、このやり方について、「下手なんだよ、とにかく」と苦笑するシーンはあった。
出演者からも、「どこかでタイミングがあればメシ行きましょうと言っても、絶対行かない」と揶揄する声が出た。それ以外は、栄氏が主張したコミュニケーション不足について議論が交わされたり、栄氏が謝罪したことを評価したりする声もあった。
ツイッター上などでは、田中理事長に対して厳しい声は多く、「逃げ回ってるだけでしょ」「自業自得な面が非常に大きい」「問題の大きさをまだ理解してないのか」といった声が上がった。
ただ、「バイキング」の日ごろの放送にも批判の余地があるとして、「田中理事長の言ってる事はごもっとも」「ちょっと調子に乗り過ぎだな」「開き直んなよ、自分らの反省しろよ」との指摘が出ている。