「ハタチ初日がこの地震で、逆に思い出深いものになりました」――。サッカーJ1・ガンバ大阪の食野(めしの)亮太郎選手がSNSに投稿した一言に、インターネット上で「不謹慎では」との指摘が出ている。
大阪北部で震度6弱を観測する地震が起きた2018年6月18日。この日、20歳の誕生日を迎えた食野選手は、地震が起きてから約2時間後に、冒頭のような言葉をインスタグラムに書き込んだのだ。
「とんだ誕生日になりました!笑」
大阪府泉佐野市出身の食野選手は、4月8日にJ1デビューを果たした期待の若手MF。5月9日のサンフレッチェ広島戦で、自身初となるトップチームでのゴールを決めたばかりだ。
そんな食野選手は6月18日朝10時過ぎ、インスタグラムで「おはようございます!地震に遭われた方々、ご無事でしょうか 僕は元気です。笑」と切り出した。その上で、
「食野は、今日で20歳になりました! ハタチ初日がこの地震で、逆に思い出深いものになりました!」
と投稿したのだ。続けて、「イチ社会人としての自覚と責任を持って、また、ひたむきにサッカーに向き合い、努力して行きたいと思います」とも書いていた。
さらにツイッターでも、ファンから寄せられた誕生日を祝うリプライ(返信)に対し、食野選手が「地震は大丈夫でしたか とんだ誕生日になりました!笑」などと返す一幕があった。
こうした投稿が、ネット上で賛否を呼ぶことになった。複数の死者、多数の死傷者が出ている地震を「思い出深い」などと表現したことに、ツイッターやネット掲示板で、
「まだ被害が明らかになってない、本震が発生する可能性もある時点でこれはないわ」
「食野それはアカン。 書いてもたのは取り返しつかんから、とりあえず詫び入れろ」
「食野...リーグやクラブって教育とか指導しないんかな」
などと問題視する意見が相次いだのだ。
こうしたネット上での指摘を受けてか、食野選手は同日13時までに問題視されたインスタグラム投稿を削除している。
「目くじら立てて怒ることか?」
ガンバ大阪は今回の地震で大きな被害を受けた大阪北部が本拠地。震度6弱を観測した高槻、枚方、茨木、箕面の4市も、チームの決めた「ホームタウン」のエリアに含まれている。
ホームスタジアムのある吹田市も震度5強を観測、停電や断水などライフラインにも大きな影響が出ており、チームはこの日の練習を中止していた。それだけに、今回の食野選手の投稿に複雑な思いを抱いたファンもいたようで、
「被害が大きかったエリアはガンバのホームタウンなのだよなー」
「ホームタウンの高槻市民が被災してる時に 僕は元気です!じゃないだろうよ」
との書き込みも見られる。
ただ一方で、「別に何も問題ないじゃん」「本人は被災者として、無事だった事を報告しただけなんだろう」「まだ20歳だし目くじら立てて怒ることか?」と彼を擁護するような意見も目立っている。
また、食野選手がインスタグラムを更新した朝10時過ぎの時点では、具体的な被害を伝える報道は少なかったため、本人もまだ事の重大さを理解していなかったのでは――と同情するユーザーも出ていた。