財政再建の「大甘」新計画 「支出増」へは意欲満々

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「抜本的な議論は先送り」

   そうなれば、いかに「出」を抑制できるかが、2025年度黒字化のカギということになる。ポイントは国の政策経費の44%を占める医療・介護などの社会保障費で、団塊の世代が75歳になり始める前の19~21年度を「基盤強化期間」と位置づけた。しかし、従来計画は社会保障費の伸びを16~18年度の3年で1.5兆円程度に抑える目安を設けていたが、今回は「高齢化による増加分に相当する伸びにおさめる」という文言を盛り込んだだけ。財務省が主張した医療機関の窓口で75歳以上の高齢者の自己負担を現行の1割から2割に引き上げることなど、給付減や負担増の具体案の明記は見送られた。

   一方で、消費税増税後の景気下振れを防ぐためとして、「税率引き上げで起こる需要の変動をならすよう万全を期す」と記し、2019~20年度に景気対策を実施することを打ち出した。住宅や自動車の減税拡大などが取りざたされている。すでに、消費税率引き上げによる増収のうち1.7兆円は幼児教育・保育や大学の無償化に使うことが決まっており、これも含め、支出を増やす意欲ばかりが目立つのが、今回の骨太の方針だ。

   霞が関では、「増税を2度も延期された財務省はもちろん、他の官庁も含め、2019年10月の消費税増税までは国民負担増につながる話はできない」(経済官庁関係筋)との空気が支配しているという。

   現状では、2025年度黒字化は達成困難と見る専門家が多いが、「とにかく目標を掲げることで、社会保障改革などの抜本的な議論は先送りされた」(大手紙経済部デスク)のは間違いない。

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