ニーズに後れを取る日中双方の企業
さらに、時計、メガネに関心を持つ消費者の中で、78.9%が「国内市場では満足できない」と答え、今後半年の間に、37.1%の消費者が輸入品購入を増やそうとしている。
また、乗用車の中でもSUV、真珠・宝石などの装身具、食品ではフレッシュミルク、サプリメント食品、水産品、果物、家具、日用品ではクッキングツール、スーツケース、バッグなどについても、消費者は国内市場に対して不満を抱いている。
商品の種類によって、消費者の関心も異なる。食品類、育児用品で消費者が最も関心を払うのは安全面であり、化粧品、建材・住宅設備機器、文化・教育・スポーツ・レジャー用品ではクオリティであり、時計・メガネ、装身具などでは、デザインである。
中国の消費者の輸入品に対する高い需要に比べて、供給側である中国の流通企業の方が時代遅れであることは否めない。
商務部の流通企業1000社余りに対する調査によれば、今後1年以内に輸入を増やすことにしているのはわずか7.4%にすぎず、大部分の企業は商品の輸入について現状維持と答えており、急速に高まっている消費者の輸入品需要に後れを取っている。
中国の企業側が輸入を増やそうとしている分野は順に、食品、育児用品、化粧品、時計、メガネと乗用車などである。消費者の輸入品需要の高い電器、電子機器分野では、輸入の減少というプランさえ企業側に現れている。
中国の消費者がもっとも拡大してもらいたい輸入品の多くは、日本企業の得意分野であるが、中国へ輸出拡大を図る日本企業、電子取引を使って中国での販路を拡大していこうとする企業は、現在けっして多いとは言えない。
11月の輸入品博覧会の開催で、日本製の日常用品などに対する需要が高まるのは間違いなさそうだ。しかし、中日双方とも、企業側に十分にそれに対応する行動は取れていないのが現状だ。
(在北京ジャーナリスト 陳言)