かんぴょう巻は「関東の寿司文化」
実際、兵庫県内を中心に展開する回転すしチェーン「力丸(りきまる)」でも、メニューにかんぴょう巻はない。運営会社の関西フーズの担当者に理由を尋ねると、
「関西人はかんぴょう巻を食べないので。メニューに入れていない理由は、それだけですよ。おそらく、うち以外の(兵庫県内の)回転寿司店、スーパーや総菜売り場でも、かんぴょう巻はまず置いていないと思いますよ」
と話していた。
ではなぜ、関西ではかんぴょう巻がマイナーなのか。大阪の寿司店で板場に10年以上立ち、現在は寿司職人の養成学校「東京すしアカデミー」の大阪校で講師を務める瀬戸口純也さん(46、大阪出身)に聞いた。
2018年6月15日のJ-CASTニュースの取材に応じた瀬戸口さんは、「関西人はかんぴょう巻はほとんど食べない人が多いですね。置いている店が全くない訳ではないのですが...」と話す。続けて、自らの職人時代を振り返る形で、
「確かに、かんぴょう巻を頼む関西人はほとんどいなかったですよ。ごくたまに、関東から来た人が頼むことはありましたけど...、むしろ、『注文する人がおるんや』って、こっちが驚いてしまう位でしたよ」
と笑っていた。
かんぴょう巻が関西人に馴染みのない理由について尋ねると、瀬戸口さんは「何ででしょうかね、う~ん...」と唸りつつも、
「やはり関西は太巻きが主流で、カンピョウだけを巻いて食べるという文化がもともと存在しないのだと思います。カンピョウの産地といえば栃木ですが、それはあまり関係がないはず。関西でも、昔から太巻きの具材としてよくカンピョウを使っていましたから。やはり、かんぴょう巻は関東の寿司文化だと考えるのが自然だと思います」
としていた。なお現在では、江戸前寿司ブームが関西にも及んでいることから、大阪などでもかんぴょう巻を出す店が増えてきているという。