「鳥がぶつかったのか」...返答なし
男性によると、のぞみ176号は小倉駅でいつものように乗客の乗降を済ませた。小倉~新下関駅間で「異常を確認したので、緊急点検をする」旨のアナウンスが入り、新下関駅で停車。ドアも閉めて停止している横で、ホームの駅員はあわただしそうだった。
その後、運行不能の車内アナウンスが流れた。先頭車両の外を見に行った男性は、先端部分のボンネットが割れており、血のような跡があることを確認。まさか人身事故だと思いもしておらず、近くの駅員に「鳥がぶつかったのか」と問いかけたが、返答はない。約2時間後に、あれは人だったと知った。
男性は「小倉駅で、まだ運行を続ける気だったのか」と疑問を抱いている。事故時に「運転席でどれくらい騒音がしたか分からない」とした上で、「車両では結構、音も振動もあったので、気付かないものかなと思った」。その上で「いっそ小倉駅で乗客を下ろしても良かったんじゃないか」と持論を述べた。
今回の事故を受けて、JR西日本の平野賀久副社長は15日、記者会見を開いた。それによると、小倉駅の駅員は停車中、先端部の破損に違和感を抱いたが、大きな異常と思わなかったので、発車を止めなかった。