「そもそも伊調馨さんは選手なんですか?」と険しい表情で会見に臨み話題となった、至学館大学の谷岡郁子学長が約3か月ぶりにマスコミの取材に答えた。
全日本選抜選手権の会場そばで、記者の質問に笑顔で答えていたが、前回会見の威圧的なイメージが強いせいもあってか、テレビやツイッターには「何で出てきてニコニコ笑ってるのか」「笑顔が怖い」といった反応が出ていた。
「選手ファーストですよ」
2018年6月14日、至学館大レスリング部の栄和人監督が会見を開き、伊調選手らへのパワハラを内閣府が認定した問題について、「コミュニケーション不足だった」と釈明した。認定後初の会見で、凍結していた部の選手への指導を再開することも明かした。全日本選抜選手権の会場となった東京・世田谷区の駒沢体育館前で行った。
この会場へは谷岡学長も足を運んでおり、観客席で会見後の栄監督と談笑しながら選手の動きを見守った。その後会場を出て、移動途中にマスコミのカメラ前で記者の質問に笑顔で答えた。
記者「栄監督の指導再開は、なぜ今のタイミング?」
谷岡学長「このタイミングではダメですか?」
(略)
記者「(栄監督に対する最終的な)処分が決まっていないタイミングでの(指導)復帰というのは...」
谷岡学長「選手ファーストですよ」
(略)
こうした、観客席や移動途中での谷岡学長の言動の映像は、15日放送の「ひるおび!」(TBS系)や「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)などが紹介した。移動途中の映像については、各局が断片的に紹介しており、谷岡学長が報道対応した時間の幅ははっきりしないが、一言二言で終わりという訳ではなく、ある程度の時間は割いているようだった。映像を見る限りでは、移動途中での会見での笑顔は、観客席で栄氏相手に見せた笑顔に比べると、やや硬そうだった。
立川志らく「何でこんなとこ出てきて...」
ひるおびコメンテーターの落語家、立川志らくさんは、まだ栄氏の最終処分が出ていない段階である点に触れ、
「谷岡学長、何でこんなとこ出てきてニコニコ笑ってるのか、意味が分からない。世間が全然見えてないってことですよね」
と、谷岡学長の「ニコニコ」顔に触れた上で批判を展開した。
また、こうした放送を見た人からは、ツイッターで
「学長、久々に出てきたな」
といった反応が相次いだ。中には、
「谷岡学長のヘラヘラ笑顔が怖い」
「笑顔が嘘くさくて腹立つ」
「笑顔が取ってつけた様で腹立たしい。笑い事か!?」
と、「笑顔」に注目する声も見受けられた。
谷岡学長は3月の段階(栄監督がパワハラをしたとの告発が出たあと、内閣府認定が出る前)で「反論会見」を開き、
「そもそも伊調馨さんは選手なんですか?」
「(道場での練習使用許可権は谷岡学長自身にあり、栄監督にはなく)その程度のパワーしかない人間なんです、栄和人は。パワーのない人間によるパワハラが一体どういうものであるか、私には分かりません」
と、パワハラを否定。時折、ギロリとカメラを睨みつけるような話ぶりは、繰り返しテレビで放送され、その発言内容とともに大きな注目を集めた。
栄氏の最終処分については、日本レスリング協会が6月23日に評議会を開いて決定する方針を示している。