W杯「トップ下・香川」で確定か 本田との決定的な「3つの差」

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   本田圭佑か香川真司か。ロシア・ワールドカップ(W杯)に臨むサッカー日本代表最大の注目点のひとつは、初戦・コロンビア戦のトップ下に2人のどちらを起用するか、になってきた。

   W杯前最後の親善試合・パラグアイ戦は、先発フル出場の香川が殊勲の活躍で4-2の勝利。各メディアの解説者の多くは、コロンビア戦のメンバーに香川を推した。2人の差はどこにあったのか。

  • トップ下のスタメン争いをする香川真司と本田圭佑(2018年6月2日撮影)
    トップ下のスタメン争いをする香川真司と本田圭佑(2018年6月2日撮影)
  • パラグアイ戦の先発メンバー。スイス戦から酒井高徳以外の10人を入れ替えた。
    パラグアイ戦の先発メンバー。スイス戦から酒井高徳以外の10人を入れ替えた。
  • スイス戦の先発メンバー
    スイス戦の先発メンバー
  • トップ下のスタメン争いをする香川真司と本田圭佑(2018年6月2日撮影)
  • パラグアイ戦の先発メンバー。スイス戦から酒井高徳以外の10人を入れ替えた。
  • スイス戦の先発メンバー

「こういう風に守ると、2人が前から追いかけてくるから相手は嫌」

   パラグアイ戦は2018年6月12日(日本時間)に合宿地のオーストリアで行われ、9日のスイス戦からフォーメーションは4-2-3-1のまま、スタメンを10人変更。香川もトップ下として西野朗監督体制で初先発を果たした。前半こそ0-1で折り返したが、後半に4得点。香川は1ゴール2アシストを記録し、柴崎岳のFKから生まれたオウンゴールを除く全得点に絡んだ。

   ガーナ戦とスイス戦にいずれも0-2で敗れた中、「サブ組」扱いのメンバーが結果を残したことで、西野監督は19日に迫るコロンビア戦のスタメンを熟考せざるを得ない。中でも注目は攻撃の要、トップ下だ。これまでの2戦で先発した本田の「定位置」を、今回香川が大きく脅かした。

   元代表の福田正博氏は、13日放送の「グッド!モーニング」(テレビ朝日系)で、W杯初戦のトップ下に香川を選んだ。本田との比較を聞かれると「持ち味のドリブルからの身のこなしでシュート(を打ってゴール)。イメージ通りだ」と期待を寄せた。元代表の秋田豊氏も、13日の「あさチャン!」(TBS系)で香川を推している。

   一方、元代表で日本サッカー協会理事の北澤豪氏は、12日深夜の「NEWS ZERO」(日本テレビ系)で、前線のスタメンを問われ、パネルを使って「ここ(トップ下)に本田選手が関わったり」と、本田の起用に含みを持たせている。

   どちらが起用されるかは分からないが、パラグアイ戦で香川が見せた本田との「差」は、大きく分ければ3点あげられそうだ。1点目は前線からの守備。日本テレビの中継で解説した元代表・都並敏史氏の言葉が印象的だった。1トップとの守備の連携について話している。

「守備の時は(岡崎慎司と香川の)2トップになるんですよ、4-4-2みたいなね。こういう風に守ると、2人が前から追いかけてくるから相手は嫌なんです。スイス戦は大迫1人で前から追いかけて、本田が行かなかったので、逆に相手のDFラインはするするとボールを持ち出しやすかった。この辺が修正できている」

「明らかにスイス戦とは違った」こと

   実際、高い位置でボール奪取に成功した場面も複数ある。後半42分には、途中出場の宇佐美貴史と香川が相手選手を囲んでボールを奪い、香川から原口元気、さらに大迫勇也につないでシュート、ギリギリのタイミングでオフサイドとなったが、ゴールネットを揺らしている。

   格上・コロンビア相手には、守って耐える時間帯が長くなることは必至。香川自身、試合後のインタビューで「守備の局面をアグレッシブにやり続けたことで、攻撃のリズムが生まれた。このベースを忘れずに準備したい」と守備の重要性を口にしている。

   一方のスイス戦では、1トップで先発した大迫が単独で前線のプレスに奔走する時間が長かった。複数メディアによれば試合後、「みんなでカバーして走る距離を減らし、守備できるかは課題。あのやり方だとどの選手も30分で死ぬ」と連携の希薄さに不満。トップ下の本田にも責任はある。

   2点目は攻撃面。セレッソ大阪時代の同僚、左サイドハーフで先発した乾貴士と阿吽の呼吸でパラグアイゴールを脅かした。乾の2点はいずれも香川のアシストで、特に1点目は単なるラストパスだけではなかった。ダイレクトで乾に渡した香川は、すかさず乾とクロスするように斜めにスプリントし、相手を引きつけてスペースを演出している。

   サッカー解説者の中西哲生氏は13日、ツイッターで「やはり乾。彼に時間とスペースを与えられれば結果は出せる。それを創り出した香川と柴崎。アタッキングサードへの侵入の質が明らかにスイス戦とは違った」と、乾と香川、さらにボランチ・柴崎岳らによる攻撃の質を、本田らが先発したスイス戦と比較して高く評価。「ここに大島(僚太)が加われば、グループリーグ突破への可能性が見い出せる」とまで考えている。

   このように噛み合った要因は何だったのか。乾の試合後インタビューの言葉を借りれば、3点目に「みんなが走って、戦ってやった結果だと思う」ということがあげられる。スイス戦後に、長友佑都が「走る意識をもう一度みんなが持つべき」として、「圭佑もまだまだ走らないといけない」と指摘していたのとは対照的だ。

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