小学生の女の子に「お帰りなさい」と声をかけたら、彼女のランドセルの防犯ブザーが鳴り響いた――。埼玉県在住の75歳がそんな体験談を新聞投書に寄せたところ、ツイッターで「切ない」と反響を集めることとなった。
「女の子に声かけ 迷惑かけた」。投書は、読売新聞の2018年6月9日付朝刊の「気流」欄に載り、そんなタイトルが付いていた。
「やはりおせっかいだったろうか」
投書によると、投稿者の幼稚園職員(75)がある日、交差点で信号待ちをしている時、ピカピカのランドセルを背負った女の子がやって来た。
「お帰りなさい。車に気を付けて、おうちに帰ってね」
女の子にそう声をかけると、突然、ランドセルに付けていた防犯ブザーが鳴り響いた。女の子はそのまま横断歩道を渡って行った。
投稿者はそれまでも、顔見知りの卒園生に声かけをしていたが、ニコニコと返答してくれていたので、同じように初対面の彼女にも声をかけたそうだ。
ただ、逃げるように去って行った後姿を見て、見知らぬ人に声をかけられたらブザーを鳴らすようにと、家庭で言われているのだと想像したという。
「やはりおせっかいだったろうか。自分では親切なことをしたと思っても、かえって、迷惑なことがあるのだと痛感させられた」
投稿者の性別は明示されてはいないが、名前の末尾が「子」になっている。