観光庁は「柔軟な対応」認めず
エアビーはキャンセルした予約者の人数などを明らかにしていないが、約11億円の基金を設け、代金を返金するほか、航空券の変更手数料なども負担する。エアビーは少なくとも数千人の予約者に影響が出るため、観光庁に柔軟な対応を求めたが聞き入れられず、今回の決定は「苦渋の判断」としている。
政府は民泊新法に基づく届け出が増え、ヤミ民泊がなくなることを狙っているが、届け出手続きの煩雑さなどから件数は伸び悩んでいる。エアビーが法施行直前までヤミ物件を仲介するなどグレーゾーンのビジネスを続けていたのも、届け出物件の少なさが故との指摘もある。ただし、民泊物件を紹介する仲介業者の中には、新法施行前からヤミ物件は紹介せず、旅館業法か国家戦略特区に則った正規の物件しか紹介しない業者もおり、最大手のエアビーは自ら混乱を招いたともいえそうだ。