毎日新聞は2018年6月11日、東海道新幹線で男女3人が殺傷された事件の記事に「誤解を与える不適切な表現であり、おわびします」などとお詫びの文章を自社のニュースサイトに掲載した。
当初「容疑者自閉症?」との見出しにしていたが、後に削除した。お詫び文では「障害と事件が関係するような表現になっていた」としている。
「ツイートを削除しておわび」
毎日新聞(ウェブ版)は2018年6月10日朝、「新幹線殺傷:容疑者自閉症? 『旅に出る』と1月自宅出る」と題する記事を配信。本文では、11日に殺人容疑で送検された無職・小島一朗容疑者(22)の伯父(57)から聞いた情報として「小島容疑者は自閉症と診断され、昨年(編注:2017年)2~3月には岡崎市内の病院に入院していた」と伝えた。
この記事をめぐっては、ツイッターで
「自閉症『だから』殺人に至った、て短縮的な見方が一気に広まりかねんのがすごく心配」
「『自閉症?』で『?』がつくなら、まだ載せないで欲しい......」
「自閉症=犯罪者&犯罪予備軍と言うイメージにならないか心配である」
「自閉症に加えてどんな問題があったのかを明らかにしなければ真実は見えてこない」
との声が上がっていた。容疑者が自閉症と診断を受けていたことが事件に結び付いたのかどうか分からない段階で、このような見出しで報じるのはいかがなものか、というのだ。
これを受けて毎日新聞は10日、記事の見出しから「自閉症?」との文言を削除し、本文からも「自閉症と診断され」との記述を消した。さらに11日朝、自社のTwitterアカウントで83万超のフォロワーに
「新幹線殺傷の事件で、発達障害について不適切な記載をしていました。ツイートを削除しておわびします」
とお詫びした。
社長広報室「誤解を与える不適切な表現」
毎日新聞は11日19時ごろ、自社のニュースサイトで当該記事の冒頭に「不適切な表現でおわび」と題するお詫びの文章を掲載した。
「この記事では当初、容疑者が昨年入院した経緯について、障害と事件が関係するような表現になっていたため、関係部分と見出しを削除しました。誤解を与える不適切な表現であり、おわびします」
毎日新聞社の社長室広報担当はその後、J-CASTニュースの取材に
「記事では当初、容疑者が昨年入院した経緯について、障害と事件が関係するような表現になっていたことから、社として誤解を与える不適切な表現であると判断し、関係部分と見出しを削除しました」
と回答。Twitterでの「お詫び」については「ツイートについても同様です」と説明した。