日大アメリカンフットボール部の危険タックル問題で、被害選手の父、奥野康俊・大阪市議が、日大が設置した第三者委員会に対し、「真相を究明する気はない」と不信感を表明した。
2018年6月10日、自身のフェイスブック(FB)で明かしたもので、第三者委の弁護士からヒアリングを受けた際に、「不愉快」になる説明・発言があったとも報告している。こうした状況について、第三者委問題に詳しい弁護士からは「(発言が本当なら)見識のない行為」との指摘も出ている。
「怪我を軽くするためのタックルだったのでは」
奥野氏FBによると、10日朝から第三者委員会(弁護士7人で構成、勝丸充啓委員長)の弁護士2人(原文では弁護士の苗字を記載)からヒアリングを受けた。自身の息子である被害選手や、アメフト部監督らと「3時間半」の聞き取りだった。その際、第三者委弁護士から
「あのタックルは怪我を軽くするためのタックルだったのでは、という説明」
があった。日大側プレーを正当化するかのようなニュアンスを感じたのか、「不愉快になり、私から、ズバリ質問をした」そうだ。
奥野氏がこの弁護士にした「質問」は、
「中立を担保するために、あなたは、日大との利害関係はあるのかないのか」
というもので、回答は「ない」。次に、今回の調査で「日大からお金をもらっているのか」と聞くと、「はい」との答えだった。奥野氏は
「果たして、これで利害関係がないと言えるのか。明らかに、嘘だ。と私は感じた」
と続けた。また、日大との契約書の開示を求めたが、「出来ない」と言われたとし、「開示して困ることは無いはずだ」と主張。その上で、
「何を守るための第三者委員会なのだろうか、事実を確認するだけで、真相究明する気は全くない。息子に怪我をさせた理由を知りたい」
と不快感を露わにした。奥野氏が後段で指摘した、第三者委員会の弁護士と設置企業・団体との「利害関係」や「報酬」については、日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に記載・規定がある。