白黒フィルム、「再販」の動きも
富士フイルムの白黒フィルムの出荷は1960年代にピークをつけ、最近の売り上げ実績は当時の1%以下。富士フイルムによると、年率15~20%のペースで需要が減っていたという。富士フイルムの白黒フィルムの発売は1936年で、こちらは約82年の歴史に幕を下ろすことになる。
もっとも白黒フィルムは日本国内でコダックが販売を継続しているほか、新たに高感度フィルムが復活する動きもある。コダックアラリスジャパンは2018年5月23日、高感度の「コダックプロフェッショナルT-MAX3200」を今夏、日本で再販売すると発表した。同社は「近年のフィルム撮影需要の分析において、白黒フィルムの売れ行きが伸びている市場の傾向から判断して、日本での再販売を開始する」としている。富士フイルムの撤退で、ライバルのコダックは白黒フィルムの世界的シェアを拡大できるということか。
キヤノンと富士フイルムが、フィルムカメラと白黒フィルムの販売を終了するのは時代の流れだが、当面はニコンとコダックで白黒写真を楽しむことができるのが、マニアには救いだ。