サボる公務員、再生可能エネルギー活用... ドキュメンタリー監督が見た「北朝鮮の素顔」とは

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北朝鮮の「監視」退けた一言は

   ただ、最初からこういった話が聞けたわけではない。チョ監督は18年5月に都内で行われたシンポジウムで明らかにしたところによると、インタビューした人の中では、この画家が一番性格が明るかったが、それでも「(北朝鮮側の)同行する人が見張る中では、中々言葉もうまく出てこない」。

   このままでは映画が成立しなくなると危機感を持ったチョ監督は、北朝鮮側の担当者に

「このままだと、あなた方の共和国(北朝鮮)の画家さんや人民が、まるできちんと話すこともできない人みたいに映ってしまう。ロボットみたいに映る映像が世界に出て行っていいのか。あなたたちに席を外してもらえれば、自然でありのままで自信を持って、しかも面白く撮影ができる。祖国と民族のために、どっちがプラスになるのか」

などと迫り、北朝鮮側の担当者がいない状態でインタビューをやり直すことができたという。

   経済制裁に触れた場面もある。前出の元山(ウォンサン)の縫製工場のマネジャーは、中国を経由して米国などに西側諸国に輸出していることを明かし、輸出については制裁が事実上骨抜きになっていることをうかがわせた。

   それ以外にも、農家で太陽光発電でテレビを見たり、平壌市内の紋繍(ムンス)プールの担当者が「電力消費を抑えるために地熱を活用している」などと話す場面も登場。電力事情の悪化を背景に、再生可能エネルギーの活用が進んでいる一面も映し出されている。

   映画は6月30日からシアター・イメージフォーラム(東京)などで上映が始まり、全国の劇場で順次公開される。

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