民泊いよいよ解禁 コンビニが狙う相乗効果

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   住宅宿泊事業法(民泊新法)が2018年6月15日に施行され、民家の空き部屋に旅行者を有料で泊める「民泊」が、いよいよ解禁される。これを前に、さまざまな業種の企業が民泊市場参入に向け動き出している。ファミリーマートが民泊仲介の世界最大手、米エアビーアンドビー(Airbnb)と提携し、店舗で鍵の受け渡しをすると発表するなど、参入が加速しそうだ。

   ファミマは、東京都心を中心とした約150店舗内に、鍵の受け渡しボックスを設置。エアビーに登録している物件の家主と宿泊予約をした客が使えるようにする。ボックス設置は今後、国内にある約1万7000店に拡大したい考えだ。

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ファミマもセブンもローソンも

   ファミマにとっては、急増している訪日外国人客が店に立ち寄ることで、歯ブラシなどの日用品や食品を購入してもらう機会が増えると期待できる。交通機関のチケット販売などの利用にもつなげたい意向だ。

   民泊では、家主が直接、宿泊希望者に鍵を手渡すことが多く、手間や安全面からの不安が大きかった。ファミマの店舗で受け渡しができれば家主の安心感につながり、エアビー側にとってのメリットも大きい。

   一方、セブン‐イレブン・ジャパンはJTBと共同で、店舗内にチェックイン専用機を設け、フロント業務を代行する事業を始める計画だ。2020年度までに、全国の1000店に広げたい方針。ローソンも鍵の受け渡し拠点を整備しているカナダ企業、キーカフェの日本法人と協力し、店舗に鍵の保管ボックスを設けるサービスを1月からスタート。2018年度末までに都市部中心に100店に広げる計画だ。

「民泊は将来有望な潜在市場」

   コンビニ業界以外でも、関連サービスは次々と準備されている。リクルートはエアビーと提携し、スーモに掲載されている賃貸物件などの空き部屋をエアビーのサイトに載せる。エアビーにとっては紹介物件の幅が広がり、スーモにとっては掲載物件の有効活用につなげるという相互のメリットがある。このほか、ワコールは京都市内で伝統的な京町家を改装した宿泊施設を開業するなど、直接、民泊業に乗り出す企業もある。

   日本を訪れる外国人旅行者は急増しており、2017年度には前年度比19.9%増の2977万人と過去最高を更新。今年は3000万人の突破が確実視されている。こうした中、最大の課題の一つが、宿泊施設が乏しいこと。その有効な解決策が民泊とされる。「少子高齢化の中、民泊は将来有望な潜在市場」(国内企業幹部)と期待する声は大きく、今後も多くの企業が知恵を絞って、さまざまな関連サービスに参入してくる可能性が高い。

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