鹿対策で「衝撃緩和装置」を導入
JR東海の広報担当者は8日、J-CASTニュースの取材に、運行状況サイトに書いている内容は「事実です」とした上で、「動物の衝突による遅延はしばしば起きます」と話した。ただ、今回のように数時間で4回当たることも多いのかと聞くと、すぐには確認できないとのことだった。担当者は「野生動物なので線路上に入ってしまうことはあり、未然に防ぐのも難しい部分があります」と頭を悩ませている。
紀勢本線では列車と野生動物、特に鹿の衝突が相次いでおり、JR東海では対策に乗り出したことがあった。2012年5月、鹿との衝突時に線路外に押しのけるクッション状の「衝撃緩和装置」を一部特急車両の先頭部分に取り付け、効果を検証した。
13年12月に同社が発表したデータによると、同装置の設置車両は非設置車両に比べ、鹿と衝突した件数のうち線路外に押しのけた件数の割合が約13ポイント高く、運転再開までに要する時間が約3分短かった。これを受けてその後、紀勢本線を含む路線の一部普通車両にも、形状を若干変えたうえで装置の設置が進められた。
担当者は取材に対し、「ハード面での対策のほか、注意を要する区間では速度を落として運転するなど、運用の面でも衝突対策を講じています」と話していた。