「虫苦手」開発者が「ダンゴムシ玩具」を作るまで 図鑑買うも「気持ち悪くなるので...」

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「プレゼンで通せる自信がなかった」

――2年の歳月をかけて、試作を重ねている時、どんなことを考えていましたか?

「実は、開発しているときは、もう一つ別の問題を抱えており、その突破方法を考えながら進めていました。その問題とは、もし、本当に変形が可能なダンゴムシが完成できたとしても、この商品をプレゼンで通せる自信がありませんでした。
当時は人気の後ろ盾がないノンキャラクター商品を通すのは簡単なことではありませんでした。しかもそれがメジャーな猫や犬でなく、ダンゴムシであるということ。さらに、カプセル玩具のなかでは最も高額な500円という価格でないと今回の機構の商品が実現できないという問題があったからです。当時から、500円のノンキャラクター商品の提案はかなりハードルが高いものでした。
開発しているときは、このもう一つの壁をどうやれば突破できるか?ということを考え続けていました」
「転機が訪れたのは、カプセルレスのザクヘッドが昨年大ヒットをした時です。社内に『実績がなくても、面白い企画であれば500円商品でも売れる』という雰囲気が出始め、かすかながらもこの企画を通せる可能性が出てきました。
そこで、その時点ではまだ完全に丸くなる機構が完成してはいなかったのですが、目途が立ち始めてきた時期だったので、潮目が変わる前にプレゼンで押し通しました。
その後は、後ろに引けなくなったので、必死で完成させました」

――この商品を手に取るかもしれない人へのメッセージをお願いします。

「子供時代にダンゴムシで遊んだ思い出がある方へ
この巨大ダンゴムシを見て気持ち悪いと思った方も、まずはこのだんごむしをそばに置いておいてもらえれば不思議とかわいく感じてもらえるはずです。
そして、もし、自分のお子様がダンゴムシにハマっているのであれば、一緒にこの商品で遊んでもらえればと思います。
ダンゴムシの甲殻はすべて異なる形状をしており、それが重なりあってきれいな丸い形状になります。その構造は非常に興味深いものがありますので、ぜひともお子様と一緒に観察してもらえればと思います。
今もあなたのすぐ近くで生息しており、気にも留めなかったダンゴムシが、今後はちょっとかわいく感じてもらえるかもしれません。(笑)」

   ノーマルの「黒色だんごむし」と、「青いだんごむし」「白いだんごむし」(いずれも実在する)の3種がある。主なターゲットは、子どもの頃にダンゴムシで遊んだことを思い出してほしい15歳以上の男性だ。

   これらの商品は6月7~10日、東京ビッグサイトで開催する「東京おもちゃショー2018」のバンダイブースでお披露目を迎える。

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