北海道コンサドーレ札幌のジェイ・ボスロイド選手(元イングランド代表)が、「外国人はお断り」としてゴルフ場の利用を断られたとツイッターで報告していた問題で、ゴルフクラブ側がジェイ選手に直接謝罪をしていたことが分かった。
J-CASTニュースの取材に、ゴルフ場の運営会社が明かした。ジェイ選手のプレーを断ったのはクラブの利用規約が理由だったとして、本人にも謝罪と共に「人種差別の気持ちが全くない」旨を説明したという。
「外国人はお断りと言われました」
騒動の発端となったのは、ジェイ選手が2018年5月30日に投稿したツイートだ。北海道勇払郡にあるゴルフ場「北海道クラシックゴルフクラブ」を利用しようとしたが、
「外国人はお断りと言われました。これがイギリスやアメリカだったら人種差別と見られるんではないか?複雑な気持ちです」
と報告したのだ。
この投稿は31日までに削除されたが、ネット上には「ジェイの言う通りで人種差別そのもの」「何のための外国人お断りなのか理解に苦しみます」などとゴルフ場側の対応を問題視する意見が相次ぐなど、波紋を広げていた。
こうした問題について、J-CASTニュースでは31日にクラブ側に取材を依頼。6月6日に、同クラブを運営するクラシック(大阪市)から回答があった。ジェイ選手のプレーを断った背景には、次のような経緯があるのだという。
まず、同クラブでは利用規約で、国籍にかかわらず非会員の利用には会員の同伴もしくは紹介が必要だと定めている。ただ、日本に居住していない外国人の場合は、紹介だけでの利用はNG。プレー時には会員の同伴が必須となる。
クラブ側がジェイ選手の利用を断ったのも、この規約が理由だ。しかし、ジェイ選手が電話で予約を依頼した際には、受付担当者の不手際で規約を説明せずに断ってしまったという。
そのため同社は、「不快な思いをさせてしまったことを重く受けております」と謝罪。5日にクラブの担当者がジェイ選手と直接会い、上記のような経緯説明と共に「当クラブに人種差別の気持ちが全くないこと」を伝えたという。
同社によれば、ジェイ選手はクラブ側の謝罪を受け入れたという。
「人種差別など毛頭考えておりません」
そもそも、なぜ非居住外国人のビジター利用を「会員同伴必須」と制限しているのか。その理由についてクラシック社は、次のように説明した。
「現時点においては、多言語対応のインフラ(キャディの多言語対応、ゴルフ場内の案内、ローカルルール説明の多言語対応など)が不十分であり、日本語コミュニケーションが難しい方でのみでのプレーを受け入れるのは安全確保上不適切であると判断し、今(18)年度より、外国籍で非居住者の方についてはクラブメンバー同伴が必要という規約に変更しました」
規約の変更にあたっては、会員からのクレームが複数件寄せられていたことも背景にあったという。なお同社は、上記のような規約導入の経緯を説明したうえで、
「決して、外国籍であるからという理由のみで排除することや、ましてや人種差別など毛頭考えておりません」
と改めて強調していた。
今回の騒動を受けての対応について聞くと、ジェイ選手だけでなく他の外国人利用客にも「同様の思いをさせてしまった可能性があることを深くおわび申し上げます」と謝罪。その上で、
「現実的には外国籍で日本居住者の方は当クラブのメンバーと知り合う機会も少なく、当クラブのメンバーの紹介を受けることが困難であることは否めません。受付段階から当クラブが能動的にメンバーをご紹介するなど、積極的な受け入れを進めていきたいと考えています」
とした。ただ、非居住外国人が紹介だけでプレーできるように規約を変更するかどうかの点については、回答では全く言及しなかった。