2018年6月12日にシンガポールで行われる史上初の米朝首脳会談は、南部のセントーサ島にある「カペラ・シンガポール」で行われることが決まった。サンダース米大統領報道官が6月5日(米東部時間)に発表した。
島にアクセスできる経路が限られており、警備のしやすさが評価されたとみられる。ただ、両首脳の宿泊場所は6月5日時点では未公表。北朝鮮がホテル代の負担を渋っているという米報道もあるが、トランプ氏が最高級ホテルに宿泊するとみられるだけに、金正恩・朝鮮労働党委員長が「格下」のホテルに泊まるわけにもいかず、落としどころが注目されそうだ。
マドンナ、レディー・ガガも宿泊
「カペラ・シンガポール」は、事前協議のためにヘイギン米大統領次席補佐官が滞在していたホテルで、すでにシンガポール入りしている北朝鮮のキム・チャンソン国務委員会部長との協議場所になっていた。シンガポールでは有数の高級ホテルで、歌手マドンナさんやレディー・ガガさんが宿泊したことでも知られる。最も広いとみられるコロニアル形式の部屋(436平方メートル)は、税金抜きで1泊1万1000シンガポールドル(約90万5000円)。
両首脳も同様の最高級ホテルに宿泊するとみられる。ワシントン・ポストによると、北朝鮮側は、観光スポットとして有名なマーライオン公園に近い、「フラトンホテル」を希望。同ホテルの最高級客室「プレジデンシャル・スイート」は1泊6000米ドル(約65万円)だが、同紙によると、北朝鮮側は経済制裁による困窮を理由に、ホテル代の支払いを他国が肩代わりするように求めているという。ただ、国務省のナウアート報道官は5日の会見で、
「米国政府は北朝鮮代表団の宿泊費は支払わない」
と断言。17年のノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は正恩氏の宿泊費を支払う意向を示したが、支払いの問題は依然として宙に浮いたままだ。