悪質タックル問題で日大が設置した第三者委に対し、関係者や識者らから厳しい視線が注がれている。
結論までに約2か月を要するとしている点について、被害者選手の父親はテレビに生出演し、「風化をさせることを目論んでいるのか」と不信感を露わにした。
田中理事長も出てくるが...7月下旬
被害選手の父、奥野康俊・大阪市議は2018年6月6日、「とくダネ!」(フジテレビ系)に生出演し、これまでの経緯や現在の心境について語った。問題のプレーがあった試合(5月6日)から、ちょうど1か月が過ぎたタイミングでの今回の出演について、日大の姿勢に対して「看過できない」部分があるからだ、と説明した。
日大は6月1日、内田正人・前監督の常任理事退任と、5月31日付で弁護士7人からなる第三者委員会を設置したことを発表しており、結果報告は7月下旬としている。結論が出れば、この問題でこれまで公の場で対応していない田中英寿理事長が、どのように対応するかを説明する、とも明かしている。
番組で、司会の小倉智昭氏は「日大はこの場(期)に及んで、第三者委の結論は7月末と言ってますし、(当時の監督らの)指示を認めていない」と指摘。奥野氏は、第三者委の結果回答まで約2か月かかる、としている点にあらためて触れたうえで、
「確実に風化させることを目論んでいるのかな、と疑心暗鬼になっています」
「看過できない部分がある」
と、日大の姿勢に疑いの目を向けた。
東国原英夫「2か月もかかりませんよ」
この「結果まで2か月」に対しては、タレントの東国原英夫・元宮崎県知事が6月4日、「バイキング」(フジテレビ系)で、「(調査に)2か月も3か月もかかりませんよ」と指摘。仮に調査対象が150人程度いたとしても、メンバー7人が1日に2人ずつ聞き取りをすれば10日程度で終わり、文書をまとめるのに2週間を要したとしても「(とりまとめには)1か月ですよ。相場的に」と断じ、「やる気があるのかなっていう感じがします」と日大の姿勢に疑問を投げかけた。
日大アメフト部の父母会も2日、第三者委の調査について「スピード感を持って」取り組んで急ぐよう、大学関係者に要望している。
同じ悪質タックル問題を調査していた、関東学生アメリカンフットボール連盟は5月29日、規律委員会から結果報告を受け、内田前監督の指示を認定、除名処分とすることを発表しており、調査と処分を既に済ませている。