ライトノベル作品『二度目の人生を異世界で』を出版するホビージャパンが2018年6月6日、作品の一部表現について「多くの方々の心情を害している実情を重く受け止めております」などと声明を発表した。
同作品をめぐっては、アニメの出演声優が続々と降板を発表する異例の事態となっていた。
ツイートは「不適切な内容であった」
ホビージャパンは18年6月6日、『二度目の人生を異世界で』について「HJノベルス『二度目の人生を異世界で』に関しまして」と題する声明を発表。
「株式会社ホビージャパンは、HJノベルス『二度目の人生を異世界で』に関しまして、作品中の一部の表現が多くの方々の心情を害している実情を重く受け止めております」
と見解を示した。
さらに「作品の内容とは切り分けるべき事項ではありますが」と前置きした上で、
「著者が過去に発信したツイートは不適切な内容であったと認識しております」
と説明。原作書籍の取り扱いについて「慎重な対応をおこなってまいります」と今後の方針を示し、
「ご不快な思いをされた読者をはじめすべての皆様にお詫び申し上げます。ならびに書店、流通の皆様、作品にかかわる関係各位におかれましては、多大なるご迷惑をおかけします事をお詫び申し上げます」
とお詫びした。
『二度目の人生を異世界で』をめぐっては、10月放送予定のアニメで主役級の声優を務める増田俊樹さん、安野希世乃さん、中島愛さん、山下七海さんが6月6日、相次いで降板を発表していた。
背景にあるとみられているのが、原作小説の内容が18年5月のアニメ化決定後、中国のネットユーザーを中心に物議を醸していたことだ。主人公の剣客が物語の設定上、中国を侵略し多数の人民を虐殺した日本軍兵士であることを暗示させるとして、中国メディアで報道。さらに作者のまいんさんの過去のツイートが日本のネット上でも「ヘイトスピーチ」とされ、炎上騒ぎに発展していた。