コンビニの傍らに備えつけられた「喫煙所」に、ツイッターユーザーの男性が違和感を示した。
確かにタバコを吸うには奇妙な場所だ。それは、家の庭にも置かれるような「物置」に、「喫煙所」などと書かれた紙が張ってあるだけだった。
1畳程度、頭がつきそうなくらいの高さ
投稿は2018年5月31日にあった。ユーザーは北海道在住の30代会社員男性で喫煙者。仕事の営業中に立ち寄ったコンビニにあった喫煙所を見て、愕然とした。それは直方体の金属製の物置に、「喫煙所」「使用後は必ず戸を閉めて下さい」と書かれた張り紙があるだけの場所だった。
広さは1畳程度で、中に入れば頭がつきそうなくらいの高さだ。男性は、戸を横にスライドして内部を撮った写真も投稿しており、暗い室内にスタンド灰皿と金属製のバケツが置かれているのが分かる。床は黒い足跡がいくつもついている。窓はない。男性は喫煙者の「隔離」がここまでになったかと悲観した。
利用するには決して気持ち良くはないであろうこの「喫煙所」。ツイッターやインターネット掲示板ではさまざまな意見が寄せられており、
「なんだろ。悪意しか感じない」
「中はライトすらないのか」
「完全分煙と謳ってるけど、実際はただの喫煙者差別だよな。犯罪でもないのに、あたかも吸ってない人が偉い、吸ってない人だけの世界にするみたいな」
と、「やりすぎ」という声が一定数見られる。
だが、反響の多くは
「あるだけありがたいと思えよ」
「このくらい当然だろう」
「禁煙が増えてる中喫煙所をなんとか設けてくれたって発想にはならんのね」
「むしろ喫煙者でもここでは吸いたくないと思わせるなら 全国の喫煙所をこれにすればタバコやめられるだろ」
「こうあるべき 臭いんだからわきまえろよ」
など、この喫煙所への賛成意見や、さらには喫煙者全体に対するバッシングだった。
「喫煙者への憎悪や非寛容な態度」にショック
J-CASTニュースは6月4日、写真を投稿した男性に話を聞いた。批判的な意見が数多く寄せられていることについて、
「喫煙場所を設ける以上、最低限の設備を求めることはいけないことなのでしょうか? 少なくとも煙草を販売していて場所を提供するのであればなおのことと思います」
と困惑している。さらには、
「白黒つけられる問題でもないのでしょうが、喫煙所そのものよりも、これを見て喫煙者へのヘイトに近い暴言や非難を吐かれる方が多いこと、喫煙者も今やマイノリティになったという実感、マナーを守ろうが守らなかろうが、『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』とでもいうような喫煙者への憎悪や非寛容な態度のほうが、よほどショックでした」
と、激しいバッシングに心を痛めていた。
男性は投稿の拡散と思わぬ反響の大きさから、すでに当該投稿を削除。「喫煙者・非喫煙者双方が共生できる議論のきっかけとなればと思い掲載した次第ですが、思いのほか非喫煙者の悪意が多いことも有り、削除した次第です」という。
自身は「吸う環境じゃないところでは吸わなきゃいい程度に我慢できる喫煙者」だという。この喫煙所は、見つけはしたものの「煙が籠りそうなのと、吸う気が無くなりましたので利用しませんでした」と話している。
設置してあったコンビニの店名を尋ねたものの「特定されることで先方のコンビニの方にあらぬご迷惑をかけますことは、当方の望むことではございません」として、明かさなかった。