拉致問題「日本にとって理不尽な外交になり得る」
日本政府にとっての関心事は拉致問題の進展だが、トランプ氏が北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長と会談した際には、人権問題を扱わなかったことが明らかになっている。
礒崎氏も、
「北朝鮮は、トランプ大統領が人権問題を明確に主張していないからこそ、取引の可能性があると考えたのだろう。北朝鮮は体制を変化させたいのではなく、温存するために核だけを取引に出そうとしている」
と、米朝首脳会談で「人権問題」が取り上げられることについては否定的な見方で、とりわけ拉致問題については、さらに厳しい見通しだ。
「拉致問題は依然として我が国にとって重要な問題だ。韓国や米国の大統領に頼むだけではなく、やはり日本外交の懸案なので、日本が自ら動いて北朝鮮に交渉を仕掛けなければならない。被害者である我が国とっては理不尽な外交になりえるが、それでも拉致被害者の奪還という目的を達成するために、手段はより柔軟であるべきだと考える」