Q.「TPPの参加国は?」A.「アフリカ」――。クイズバラエティ番組「ネプリーグ」(フジテレビ系)で、そんなトンチンカンな回答が飛び出し、ツイッターで「笑えない」と物議を醸している。
お笑い芸人やアイドルだったら、「笑って」済ませられそうな場面だが、実は、この回答の主は元衆院議員の政治家だったのだ。
「韓国」「中国」「フランス」...
改めておさらいすると、TPP(環太平洋経済連携協定)は環太平洋地域の国々で経済の自由化を目的とした経済連携協定だ。交渉参加国は日本や米国、オーストラリアなど12か国で、2015年10月に大筋合意に達した。
だが2017年1月、トランプ米大統領が離脱を表明。米国を除く11か国で18年3月、「TPP11協定」を署名。日本も含め引き続き、早期発効を目指している。
そんなTPPについて、2018年6月4日放送の「ネプリーグ」では、制限時間内に5人1組でリレー形式に回答するクイズで「今年3月 新たな協定に署名したTPP参加国 日本を除く10カ国すべて答えろ」と出題。
お笑いトリオ「ネプチューン」の名倉潤さんと、希望の党の松沢成文・参院議員、政治家の田中美絵子・元衆院議員、弁護士の横粂勝仁・元衆院議員、タレントの林修さんの5人が挑戦した。
まず、トップバッターの名倉さんは「チリ」、松沢氏は「ブルネイ」と順調に正解。だが続けて、田中氏は「アフリカ」とまさかの珍回答。間違いを知らせる効果音が鳴ると、「え?」と目を大きく見開いた。
田中氏はさらに「韓国」「中国」「フランス」と不正解を連発し、端から見ていた「ネプチューン」の堀内健さんも「え? TPPでしょ?」と驚きの表情に。田中氏は2度目のヨーロッパ「イギリス」を口にし、ようやく「メキシコ」で正解した。
横粂氏と林さんはその後、「マレーシア」「オーストラリア」「ニュージーランド」「カナダ」とテンポよく正解していく。だがやはり、田中氏にバトンが回ってくると「えっと...イタリア」。堀内さんから「違うっつうの、ヨーロッパだっつうの」とツッコミを受ける中、「ベトナム」で何とかバトンを渡した。
「TPPが何かも分かってないだろ」
田中氏とは一体、どんな人物なのか。2009年の衆院選で石川県から民主党公認で立候補、小選挙区で落選するも比例で復活当選。「小沢ガールズ」の1人として「美人すぎる国会議員」と注目を集めた。
12年3月に明治大大学院政治経済学研究科の修士課程を修了、6月に国交省のキャリア官僚と「不倫&路チュー」を週刊誌に撮られた。12、14年の衆院選では落選。17年の衆院選にも希望の党公認で出馬するが、落選した。
TPPの参加国を聞かれて、環太平洋地域に存在しない大陸の名前を答えてしまう――。とても大学院の政治経済学研究科を修了した政治家とは思えないトンデモ回答に、国民はツイッターで
「田中美絵子 一般人よりTPP知らないようだ」
「この田中って議員ヤバすぎる。TPPが何かも分かってないだろこれ」
「ネプリーグつけたら、田中美絵子って政治家が笑えないぐらいひどかった」
などとお怒りだ。
番組でクイズ終了後、「ネプチューン」の原田泰造さんに「田中さん、やばかったんじゃない?」と感想を聞かれた田中氏は
「間違えたんです。参加していない国だと思ったんですよ」「緊張しちゃって」
と釈明。だが名倉さんから「アフリカ、言うたからね」、横粂氏から「アフリカって国があると思うのは、小学生じゃないですか?」と総ツッコミを食らう始末で、さすがに恥ずかしさがこみ上げてきたのかもしれない。
田中氏は番組放送後、インスタグラムで「恥ずかしい間違いをたくさんしたので、当日に告知する勇気がありませんでした」と投稿していた。