森友学園をめぐる文書改ざん問題で、財務省は2018年6月4日、調査報告書と関係者の処分内容を公表した。佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長について、「応接録(編注:森友学園との交渉記録)の廃棄や決裁文書の改ざんの方向性を決定づけたものと認められる」として、「停職3か月相当」の処分として退職金を減額することを決めた。
一方で、財務省トップにあたる麻生太郎財務相兼副総理は「閣僚給与の12か月分を自主返納」。ただ、この返納するのは「閣僚給与」であって、国会議員としての給料は含まれない。返納する額は「わずか」170万円で、閣僚の中で最も多くの資産を持つ麻生氏からすれば「はした金」のようなものだと言ってよさそうだ。
文書改ざんの動機「それが分かりゃ苦労せんのですよ」
麻生氏は調査結果発表後に開いた会見で、関係者の処分に言及したのに続いて
「私自身も、この問題が財務省、ひいては行政全体の信頼を損なったことを踏まえて、閣僚給与の12か月分を自主返納いたしておるところです」
などと自らの責任についても触れた。ただ、「私のリーダーシップのもと、職員一同が一致団結」して再発防止策に臨むなどと話し、「私自身の進退については考えておりません」と断言。答弁の修正ではなく文書の改ざんをせざるを得なかった理由については
「それが分かりゃ苦労せんのですよ」
と突き放した。
そういった中で注目されそうなのが「自主返納12か月分」の内容だ。内閣人事局のウェブサイトで公表されている「主な特別職の職員の給与」では、国務大臣の「年間給与額」は約2929万円。ただ、ここには2000万円以上ある国会議員としての歳費が含まれている。
こういったことを踏まえて、伊藤豊秘書課長は記者会見で、麻生氏が自主返納する額について明かした。
「閣僚給与は色々な理由でだいぶ減額をされておりますので、その分なんですけれども、12か月分で約170万円」