ロシア・ワールドカップ(W杯)に挑むサッカー日本代表が、欧州での直前合宿のため、2018年6月2日、日本航空(JAL)のチャーター機で経由地のドイツ・ミュンヘンに向かった。
成田空港で行われた出発セレモニーでは、主将の長谷部誠選手(34)は笑顔であいさつ。前日にツイッターへの投稿で物議を醸した長友佑都選手(31)も談笑するなど、多くの選手がリラックスしていたが、あの男の雰囲気は違った。
「日本の皆様の素晴らしいサポートを胸に」
セレモニーでは、日本サッカー協会の田嶋幸三会長が「97年の日本サッカーの歴史、W杯に出て20年の経験・英知を結集しロシアW杯に臨みたい。選手・スタッフ一丸となり、日本らしいサッカーを見せたい」とあいさつ。西野朗監督は「たくさんのファン・サポーターの期待に応えられるように精一杯戦っていきたい」と宣言した。
長谷部選手は「日本の皆様の素晴らしいサポートを胸に、ロシアの地で戦ってきたいと思います」と3日前のガーナ戦とは打って変わって笑顔で語った。5月30日のガーナ戦直後も、試合会場の日産スタジアムで壮行セレモニーが行われ、長谷部選手はあいさつしている。だが、試合はW杯へ大きな不安を残す0対2の敗戦だっただけに、表情は曇りがちだった。
出発セレモニーではほか多くの選手もリラックスしており、当然といえば当然かもしれないが、ガーナ戦直後に見受けられた悲壮感は引きずっていないようだ。中でも長友選手が目を引いた。
長友選手は出発前日の6月1日、「年齢で物事判断する人はサッカー知らない人」とツイッターに投稿して賛否を呼んだ。ロシアW杯のメンバー23人の平均年齢は、開幕時点(6月14日)で28.26歳と日本のW杯代表として過去最高。うち30代の選手は8人おり、長友選手もその1人だ。代わり映えしない顔ぶれの上、ここ最近は負け試合も多いため、インターネット上では「高齢化ジャパン」「ロートルジャパン」「年功序列ジャパン」などと揶揄されていた。長友選手はこれに反論した形となっていた。