ブレイク中のピン芸人ひょっこりはんさん(31)がネタのBGMとして流している楽曲について、音楽素材サイトの運営者が公式サイト上で「著作権侵害」だと抗議している。
所属事務所よしもとクリエイティブ・エージェンシーでは、事実関係を調査中だとしたが、サイト規約違反の可能性があるとして楽曲の配信を停止した。
「著作権表記をしていない」「利用料も支払っていない」
ひょっこりはんさんは、マッシュルームカットに黒縁メガネの姿で、音楽のリズムに合わせて様々な場所から「はい、ひょっこりはん」と姿を現すのが持ちネタだ。
2018年に入って、テレビのバラエティ番組出演で注目され、ひょっこりはんさんのマネをした動画などがSNS上で投稿されている。
これに対し、音楽素材サイト「MusMus」を運営するwatsonさんが5月31日、ひょっこりはんさんがBGMで使っている楽曲は著作権侵害だとサイト上で訴えた。
サイトでは、watsonさんが作曲した楽曲は、商用でも無料で使え、改変もOKだとしているが、利用規約では、著作権表示を求めており、それができないときは有償になるとしている。watsonさんは、ひょっこりはんさんがサイト上の楽曲「sonorously box」をネタのBGMで使用しているとして、「著作権表記をしていない」と指摘した。
また、「著作権表記をしない場合の利用料を支払っていない」としたほか、4月上旬には、ひょっこりはんさんが出演する日清食品サイトの動画に楽曲が使われ、規約違反の二次配布が行われていることを確認したとした。
吉本興業「事実関係を調査しており、対応を協議」
watsonさんは、ひょっこりはんさん側とコンタクトを取り、事後であっても規約通りにしていただければいいと伝えた。ところが、少し改変しただけの楽曲がひょっこりはんさんの名で、音楽配信サイトのmoraやレコチョクで販売されていることにその後気づき、5月25日ごろに、ひょっこりはんさん側に抗議するとともに、販売停止を求めた。
そして、抗議から1週間経っても、何も進展がないとして、音楽素材サイト上で今回の件を公表することにしたとしている。
「そもそも『二次配布』は違反の中でも被害が大きいとても悪質なものと考えていますが、きちんと対応いただければ不問にするということ自体当方の好意でしかありませんでした。今回気づいた楽曲改変・無許可販売はそれを足蹴にされたという思いで非常にショックを受けています」
watsonさんは、こう心境を明かして、「このようなお知らせをしなければいけないのは本当に残念で悲しいです」とつづっている。
日清焼そばU.F.O.のサイトでは、動画「ひょっこりはんの正しい #キャベバンバン」の中で、ネタのBGMが使われている。6月1日現在も公開されているが、著作権表示は見当たらなかった。日清食品にJ-CASTニュースが取材しようとしたが、同日は臨時休業だった。
moraやレコチョクでは、ひょっこりはんさんの6曲が入ったミニアルバムが販売されていたが、1日正午ごろになって突然削除された。
moraを運営するレーベルゲートは、「楽曲が規約違反に当たる可能性があるとして、吉本側から配信を停止してほしいと連絡がありました」と取材に答えた。4月4日から配信していたという。
よしもとクリエイティブ・エージェンシーは、配信停止の連絡をしたことを認めたが、著作権侵害があったかについては、「事実関係を調査しており、対応を協議しています」と広報担当者が話した。