一人カラオケの流れに乗れず... 「グループ重視」シダックスが「撤退」

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   「一人カラオケ等消費者のニーズが大きく変化した」――。カラオケ大手のシダックスが、「カラオケ館」などを運営するB&Vに事業を売却すると発表した。

   一時は店舗数が約300店まで拡大したシダックス。今回の売却の背景に一体、何があるのか。カラオケ業界に詳しい評論家は「グループ客をメインに捉え過ぎたことが一因にある」と指摘する。

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「グループ大勢で楽しむというのが主流でした」

   シダックスは2018年5月30日、運営子会社シダックス・コミュニティーの持ち株81%を6月7日付で「カラオケ館」の運営元・B&Vに売却し、同社に対する約97億円の債権も譲渡すると発表した。

   株式の売却後も、約180店あるカラオケ店への食材や消耗品の販売、業務管理システムの提供などを継続するが、店舗の運営からは撤退する。今後は、学校・企業の給食などを受託する事業に経営資源を集中する。

   シダックスは郊外を中心に出店を進め、一時は店舗数を約300店まで拡大した。だが16年、採算悪化で全体の約3割にあたる80店を閉鎖。その後もカラオケ事業の不振が続き、18年3月期の決算では3年連続の赤字を出した。

   シダックスの発表によれば、これは「一人カラオケ等消費者のニーズが大きく変化する市場環境の影響」によるものが大きい。同社の経営企画本部長は5月31日のJ-CASTニュースの取材に、

「昔は飲み会の後の2次会利用や、グループ大勢で楽しむというのが主流でした」

と回答。その上で、

「現在では娯楽の拡大(スマートフォンの普及など)により、カラオケを利用するグループ人数の変化(例:4人→2人や1人)や、『一人カラオケ』のような利用、また楽器演奏や勉強・ビジネス利用など、カラオケルームを一つの個室空間として利用するお客様など、利用ニーズが多様化していると感じております」

と説明した。

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