熊本県のPRキャラクター「くまモン」のいたずらが、インターネット上で物議をかもしている。
県担当者はくまモンから聞き取りを行い、厳重に注意。本人も「非常に反省」しているという。
腰をウッドデッキに強打
いたずらは、2018年4月5日にテレビ熊本で放送された情報番組「英太郎のかたらんね」で行われた。
くまモンとタレント・太田弘樹さんが熊本県南阿蘇村の道の駅「あそ望の郷くぎの」で生中継を敢行。駅の名物である「とんこつそば」をリポートした。
問題の行為は、屋外の飲食スペースで実行された。注文したとんこつそばをテーブルに置き、太田さんが腰掛けようとした瞬間、くまモンが椅子を引いて太田さんは勢いよく尻もち。腰の辺りをウッドデッキに強打した。
不幸は重なる。転倒した拍子に熱々のそばが太田さんに降り注ぎ、のたうちまわりながら
「ーーっ」「いたーあっつ」
と言葉にならない悲鳴を上げた。
太田さんは約20秒後にようやく立ち上がり、苦悶の表情で「とんこつそば、のちほどいただきたいと思います」と伝えた。
「完全に放送事故」
放送からしばらく経った5月30日ごろ、当該シーンを切り取った動画がネット上で広く拡散される。
ツイッター上では、「不覚にも笑ってしまった」「悪戯好きの本領発揮」と好意的な向きもある一方、
「完全に放送事故。この方は大丈夫なの?本気で痛がってるし、ケガしたんじゃないの?」
「熱いのも危ないけど椅子引くやつは脊髄やられることもあるから本気でやるのはNGなんだで」
といった批判も少なくない。
また、現場には多数の園児もいたため、
「悪戯なのだとしたらね、誰の前でもよくはないんだけど、子どもたちが真似しちゃうとそれもそれでよくないのでは」
といった声も上がった。
県にもクレーム、本人にはお灸を
熊本県知事公室くまモングループの担当者は5月31日、J-CASTニュースの取材に、
「本人は非常に反省しています」
と話す。
担当者によると、イタズラは事前に予定されていた演出ではなく本人のアドリブだった。 くまモンに聞き取りをしたところ、「引いたら面白いかな」と軽いイタズラのつもりで行い、あそこまで大事になるとは想定していなかったという。担当者が把握する限り、同様のイタズラは初めて。
放送直後から県に苦情も寄せられ、本人は反省しきり。太田さんや番組スタッフ、テレビ局にはくまモンと県担当者がお詫びしたという。
幸いにも、後日太田さんに会った時にはケガをした様子は無く、「怒っている感じもありませんでした」(担当者)。
「私どもとしても、あのようなケガをさせたり食べ物を粗末にしたりするといった、人として良くないことは控えるよう注意しました」