ゼロックスめぐるドタバタ劇 「名経営者」古森氏の打開策は?

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

法廷闘争の結果次第で、計画が白紙に戻るリスク

   ただ、法廷闘争に展望があるかは微妙だ。結論が出るまでに時間がかかるため、当初予定していたこの秋の買収完了は絶望的。助野氏は「早くクローズする必要はない。粘り強く訴訟を通じて主張していく」と長期戦の構えだが、買収が遅れれば遅れるほど、成長戦略に狂いが生じる。

   古森氏とともに買収計画を策定してきたゼロックスのジェフ・ジェイコブソン最高経営責任者(CEO)は退任、後任には大株主の息のかかったジョン・ビセンティン氏が任命された。新経営陣の協力が得られないとなれば、買収計画実現のハードルは一段と上がる。何より今後の法廷闘争の結果次第で、計画が白紙に戻るリスクをはらむ。

   他方、アイカーン氏やゼロックス新経営陣が新たな買収相手を探すことも考えられるが、ペーパーレス化が進む中で、格好の相手が現れるか、疑問視する声は強い。

   さらに、ゼロックスと富士フイルムHDの関係悪化が富士ゼロックスの合弁解消につながると懸念する声もある。富士ゼロックスは富士フイルムHDの利益の40%を稼ぐだけに、打撃は計り知れない。

   「名経営者」との呼び声が高い古森氏に打開策はあるのか。その力量が問われている。

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