「本学の教学責任者として」
確かに、日大アメフト部が「選手一同」名義で29日に出した声明文では、監督・コーチ陣の指示が「チームの勝利のために必要なことと深く考えることも無く信じきっていました」などとして反省の念がつづられている。
ただ、選手らは捜査・調査を受ける際には「私たちが信じているチームメイトのように、誠実にありのまま全てをお話し」するという、当該選手への信頼を伺わせる記述がある。また関東学連は会見で、部内の体制について「内田監督の言うことは絶対であり、選手は逆らえない。ある日突然やめさせられるかもしれず、物申すことや、支持に従わないことはあり得ない」と、支配関係が構築されていたことを認定。こうした点からすれば、選手らが監督・コーチ陣に「依存」していたとする大塚学長のコメントはどこか腑に落ちない印象も受ける。
続けて大塚学長は、「本学(日大)としましては」学連の処分を真摯に受け止めることと、アメフト部には誠実な対応をとること、そして当該選手を支援することを宣言。その上で、「本学の教学責任者として」再発防止に取り組む姿勢を示し、「改革を実行」していくとの言葉でコメントは締められている。
大塚学長は25日に開いた会見で、「内田監督が全面的に悪いことになっていますが、本当のところは分からない」などと監督・コーチ陣の責任について明言を避けていた。その中で、学連が処分にあたって強く問題視した肝心の「監督・コーチ陣の指導体制」については、結局今回のコメントで直接言及することはなかった。本当に「改革は実行」されるのかどうか、一抹の不安はよぎる。