2018年5月30日に約1年半ぶりに行われた党首討論で、国民民主党の玉木雄一郎共同代表が「独自路線」だ。立憲民主党の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長が森友学園と加計学園に関する質問に割り当て時間の全部を費やす一方で、玉木氏は「モリカケ」を「封印」。日米の通商問題や北方領土問題について質問した。
党首討論散会直後には、安倍晋三首相(自民党総裁)が玉木氏のところに歩み寄って握手する珍しい一幕も。政策論争が深まったとする声がある一方で、対決路線を好む野党支持者からは、野党でも与党でもない「ゆ党」路線だとの指摘も出そうだ。
「信頼関係ができれば、私たちも審議拒否はしない」
討論は計45分間で、持ち時間は枝野氏が19分、玉木氏が15分、志位氏が6分、日本維新の会の片山虎之助共同代表が5分。衆院会派「無所属の会」にも3分が割り当てられたが、短すぎるとして辞退し、立憲民主と国民民主に譲った。
玉木氏は冒頭、与党に対して丁寧な委員会運営を求めた上で、
「こうした(与野党間の)信頼関係ができれば、私たちも審議拒否はしない。それからいわゆる乱闘国会というものからは決別して、熟議の国会を目指したい。国会改革、与野党を超えてやりましょう!」
と呼びかけ、米国のロス商務長官が自動車の関税引き上げの可能性について言及したことについて
「もしこれが行われてしまえば、日本経済にとっては大打撃」
「WTOのセーフガード協定上の措置を日本が講じるべき」
などと訴えた。これに対して安倍氏は
「WTO上どうしていくかについても、しっかりと戦略を持っている。我々はまさに、WTO体制を守っていく先頭に立つべきは日本だと思っている。そのためにも私たちは行動すべきときには行動していけるし、どのように行動して実際に国益にかなうかを議論している」
などと答弁したが、具体的な「戦略」の内容は明らかにしなかった。