池坊氏、日大会見をズバッと斬るも... ネットに止まぬ「ブーメラン」の声

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   「自己弁護のみで、曇りだらけ。反面教師だと思います」――。日本大アメフト部・内田正人前監督らの会見にそんなダメ出しをしたのは、日本相撲協会評議員会の池坊保子議長(76)だ。

   生放送の情報番組で教育者のあり方を語ったのはよかったが、日馬富士の暴行問題をめぐる協会の対応を蒸し返されることに。「相撲協会も曇りだらけ」「『お前が言うな感』が凄くある」との反応が相次いで寄せられている。

  • 池坊保子・評議員会議長(画像はNPO萌木の公式ウェブサイトから)
    池坊保子・評議員会議長(画像はNPO萌木の公式ウェブサイトから)
  • 池坊保子・評議員会議長(画像はNPO萌木の公式ウェブサイトから)

相撲協会は「一点の曇りもない」のか

   中京大学の理事も務める池坊議長は、2018年5月27日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)に生出演、日大アメフト部の悪質タックル問題に持論を展開した。

「(日大の加害選手は)20歳ですよ。カミングアウトされたから、皆が知ることになったんでね、それがなかったら、自殺していたかもしれない」

   池坊氏は日大選手の会見を「一点の曇りもない」「真摯に自己弁護もしなかった」と評価した一方、内田前監督と井上奨(つとむ)前コーチの会見には「自己弁護のみで、曇りだらけ」と指摘。「反面教師だと思います」と批判した。

   指導者側の説明は「曇りだらけ」だと言ってのけた池坊氏。ただ、この発言にツイッターなどインターネット上では「相撲協会のことですか?」「相撲協会も曇りだらけ」と冷ややかな声が相次いでいる。かねてから日本相撲協会をめぐっては、「隠蔽体質」の指摘が後を絶たなかった。

   元横綱・日馬富士による平幕(当時)・貴ノ岩への暴行事件が、その最たる例だ。事件発生3日後の17年10月29日、貴ノ岩の師匠・貴乃花親方は鳥取県警に被害届を提出。11月1日に県警から協会へ事件の連絡が入り、翌2日に八角理事長ら執行部の耳に届いた。

   協会は翌3日、日馬富士と貴ノ岩の両親方から電話で事情を聞いた。だが11日の臨時理事会で、事件の報告は議題に上らなかった。14日付のスポーツニッポン記事をきっかけに、メディアの報道で一斉に明るみに出ることになる。まさにこの「カミングアウト」がなければ、「皆が知ること」もなかったかもしれないわけだ。

   情報番組「スッキリ!」(日本テレビ系)では当時、司会の加藤浩次さんが「もともと協会に隠蔽体質があると思う。一番大事なところが何もクリアされず、それぞれの処分で幕引きというのでは...」と批判していた。

「愛情がなければいけない」と教育論語る

   「(指導者が選手を守ろうとする姿勢が)全然、伝わってこなかったんですね」。池坊氏は「サンジャポ」で、内田・井上両氏の会見にそんな感想を述べた。そして、教育者のあり方をめぐるこんな持論も披瀝している。

「教育者は全面的に愛情がなければいけないんです、情愛が。子育てと同じでね。子どもを育てる、指導する、それは基本に愛情があってこそできるんであってね、だからこそ信頼関係が生まれるんですよ。愛情がなかったらね、指導しても、勝ちが目標なんですね。それじゃあ学校の部活にはならないんですよ」

   「教育者は愛情がなければいけない」――。日馬富士の暴行事件など不祥事に揺れていた角界で、弟子への「愛情」の深さが話題を呼んだのは、なんといっても貴乃花親方だろう。

   貴乃花親方は暴行事件をめぐる協会の対応を問題視し、内閣府に告発状を提出するなど、当初から「反協会」的な対立姿勢を示していた。弟子・貴公俊の暴行問題で結局、告発状を取り下げる意向を示し、協会に「全面降伏」、その行動には賛否両論があったとはいえ、貴ノ岩ら弟子を「第一」にする姿勢を貫いたことは、一定の評価を得た。

   一方の池坊氏は、その貴乃花親方に「NO」を突きつけ続けた。巡業中に起きた日馬富士の暴行問題を、巡業部長(当時)の親方が協会に報告する義務を怠ったことなどを「明らかに『礼』に反している」と批判。貴乃花親方が弟子の暴行問題で態度を一変させ、2階級降格の処分を下されると、

「天知る、地知る、人知る。やっぱり神様というのはね、いろんなことを見てらっしゃるんだなと、まず思いました」

とコメントしていた。

「貴乃花が許せない?」質問に、池坊氏は...

   池坊氏が日大アメフト部の悪質タックル問題を受け、番組で皮肉にも貴乃花親方を彷彿とさせるような「教育論」を語る光景に、視聴者からは

「貴乃花の弟子へ愛情を踏みにじっといてこの詭弁は許せない」
「貴乃花をさんざん批評しておいてこの期に及んで...」
「池坊がアメフトに物申すのどんなブーメランやねん」
「本日の『お前が言うな』大賞はコチラです」

といったツイートが続出していた。

   「許せないと思っています」。池坊氏がそのように内田・井上両氏の会見を批判すると、司会の「爆笑問題」太田光さんは

「貴乃花が許せない?」

と質問。スタジオが爆笑に包まれる中、池坊氏はただただ、笑って受け流していた。

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