「愛情がなければいけない」と教育論語る
「(指導者が選手を守ろうとする姿勢が)全然、伝わってこなかったんですね」。池坊氏は「サンジャポ」で、内田・井上両氏の会見にそんな感想を述べた。そして、教育者のあり方をめぐるこんな持論も披瀝している。
「教育者は全面的に愛情がなければいけないんです、情愛が。子育てと同じでね。子どもを育てる、指導する、それは基本に愛情があってこそできるんであってね、だからこそ信頼関係が生まれるんですよ。愛情がなかったらね、指導しても、勝ちが目標なんですね。それじゃあ学校の部活にはならないんですよ」
「教育者は愛情がなければいけない」――。日馬富士の暴行事件など不祥事に揺れていた角界で、弟子への「愛情」の深さが話題を呼んだのは、なんといっても貴乃花親方だろう。
貴乃花親方は暴行事件をめぐる協会の対応を問題視し、内閣府に告発状を提出するなど、当初から「反協会」的な対立姿勢を示していた。弟子・貴公俊の暴行問題で結局、告発状を取り下げる意向を示し、協会に「全面降伏」、その行動には賛否両論があったとはいえ、貴ノ岩ら弟子を「第一」にする姿勢を貫いたことは、一定の評価を得た。
一方の池坊氏は、その貴乃花親方に「NO」を突きつけ続けた。巡業中に起きた日馬富士の暴行問題を、巡業部長(当時)の親方が協会に報告する義務を怠ったことなどを「明らかに『礼』に反している」と批判。貴乃花親方が弟子の暴行問題で態度を一変させ、2階級降格の処分を下されると、
「天知る、地知る、人知る。やっぱり神様というのはね、いろんなことを見てらっしゃるんだなと、まず思いました」
とコメントしていた。