ニコンに続きオリンパスも 中国で相次ぐデジカメ工場閉鎖の理由

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   ニコンが2017年10月30日に中国・無錫での工場を閉鎖し、それに続いて、日本の大手カメラメーカーのオリンパスも中国の工場を閉鎖した。

   オリンパスは中国メディアに対し、2018年5月7日、深センにあるオリンパスのデジタルカメラ工場の生産及び操業停止を発表した。このオリンパス(深セン)工業有限公司は、主にデジタルカメラの関連商品を生産していた。

全盛期1万5000人が働いたオリンパス工場

   オリンパスの工場が閉鎖となった理由は、同社の公式声明によると、スマートフォンの普及によりデジタルカメラ市場が急激に縮小し、工場の稼働率の低下が顕著になったことだという。また、工場は設立から26年が経過した今、設備も老朽化し、競争力を維持することが難しくなったのも一因とのことだ。

   オリンパスは深センでの生産を停止し、生産をベトナムの工場に集中させることによって生産効率と収益力の向上を図り、デジタルカメラ業務における国際競争力を強化すると見られる。

   オリンパス(深セン)工業有限公司は1991年12月に設立された、オリンパスの100%出資による子会社だ。2018年3月の時点で、同社の職員は合わせて1774名にのぼる。2015年から昨年までの3年間、同社の売上高は、それぞれ12億8900万香港ドル、11億1000万香港ドルそして9億8000万香港ドルとなっている。同社は欠損を出したわけではなく、この3年間の営業収益はそれぞれ2800万香港ドル、8122万香港ドル、3265万香港ドルであった。

   しかし、同社は全盛期には、約15000人もの社員を抱え、オリンパスのアジア太平洋本部であっただけでなく、グループ内最大のカメラ及び部品生産拠点の一つであり、以前は深センにさらに分工場もあった。

   しかし、スマートフォンの撮影機能が向上するにつれて、一般的なデジタルカメラ市場は次第に収縮していった。ニコンやオリンパスなどのメーカーはスマートフォンの勢いの前になす術もなく、続々と工場の閉鎖に追い込まれた。

稼働率30%だったニコン工場

   オリンパス深セン工場の小松享代表取締役社長は、『職員への通告』の中で次のようなことを記している。2008年以降、スマートフォンが普及するにつれて、デジタルカメラの市場規模が急激に収縮し、主力工場の深セン工場の稼働率もピーク時の20%にまで降下した。新たな業務として、やはり収入源創出の柱である海外販売業務も技術革新に伴って商品の世代交代の時期に入っており、多くのモデルは2017年に生産が終了した。

   オリンパスは、世界規模によるカメラ市場の収縮や、中国社会における経済環境の変化などのマクロ経済の要素からも影響を受け、現在、否応なく業務の再編に迫られている。 オリンパスより先に工場閉鎖を決定したのは、ニコンだった。昨年10月30日、ニコンは無錫にあるデジタルカメラ工場の閉鎖を発表した。さらに同社は、無錫にある子会社のニコン光学儀器(中国)有限公司の経営活動を停止することも発表した。

   ニコンが示した閉鎖の理由も同様で、スマートフォンの急速な進歩により、小型デジタルカメラ市場が大きく縮小していることにあった。さらに同社は、スマートフォンの普及による影響を受けて、カード式デジタルカメラの市場が今、急速に収縮していることにも言及した。ニコンの関係者の話によると、2012年から2016年までの5年間で、カード式デジタルカメラの販売量は68%にまで下落し、同期間の無錫工場の稼働率はわずか30%だったという。当然、この程度の稼働率では工場の経営を継続できるわけがない。

   ニコン中国の海外向けの公式声明によると、無錫市の子会社であるニコン光学儀器(中国)有限公司の経営活動を停止すると同時に、ニコンのデジタルカメラの生産及びデジタルカメラの部品の製造を担っていた工場も生産を停止するということだ。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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