アメフトの「悪質タックル」問題で日本大学の学長が開いた記者会見に乱入し、最前列で「お前らがしっかりしないから!」などと叫んで退場させられたあの高齢女性は、いったい何者だったのか。
2018年5月27日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)では、退場直後の女性にインタビューした模様をVTRで紹介。会見場に乱入した理由について本人は、日大側に「子供達の若い芽をつぶしているのはテメエらだろ」と訴えたかった、などと話した。
「お前らがしっかりしないからよぉ!」
日大の大塚吉兵衛学長は25日午後、東京・千代田区の大学本部で会見を開き、波紋を広げるタックル問題について謝罪した。この会見冒頭、最前列に座っていた高齢の女性が、司会の進行案内中に突如として、
「ちょっと待った。あのね、そんなまどろっこしいことやってらんないのよ!」
などと大声を上げた。立ち上がった女性は大塚学長の方へ迫ろうとしたが、大学職員らに制止され、そのまま会場の外へ追いやられた。
この女性は職員らに連れ出される間も、「お前らがしっかりしないから、お前らがしっかりしないからよぉ!」などと叫び続け、会場は一時騒然となった。デイリースポーツ(ウェブ版)の25日夕の報道によれば、72歳だという女性は退出直後に、
「私の経験を伝えたいと思った。財布ももたずにきちゃった」
「渋谷生まれで、400年前からこっちとら江戸っ子だい」
などと報道陣に話したという。また、産経新聞(ウェブ版)の同日夜の配信記事では、女性が報道陣にタクシー代の支払いを求める一幕があった、とも伝えている。
27日放送の「サンジャポ」では、退出直後の女性に単独インタビューする様子をVTRで取り上げた。まず、番組の男性インタビュアーが名前やプロフィールについて矢継ぎ早に質問すると、この女性は男性の胸のあたりをポンポンと叩きながら、
「ちょっと、落ち着いて喋って」
と優しくアドバイス。このやり取りの直後、日大関係者から「会見の進行の妨げになる」などとして、大学の敷地外への退場を促されたという。
「胸倉をつかんで、バシーンってやりに来た」
その後、2人は外に出て、大学の入り口前でインタビューを再開。「今回、なんで急に来られたんですか?」との質問に女性は、
「お前ら(編注・日大側)のせいで...、子供達の若い芽を潰しているのはテメエらだろうって。私は今日ね、この胸倉をつかんで、(平手打ちのアクションを勢いよく見せながら)バシーンってやりに来たのよ」
と憤った様子で説明した。
番組では続けて、女性はかつてのボーイフレンドがアメフト選手だった縁で、以前からアメフトが好きだったと紹介。それだけに、一連の騒動には居ても立ってもいられず、自宅からタクシーで会見場まで駆け付けたという。
女性はタクシーでの去り際、サンジャポの男性スタッフと固く握手。その上で、「また会うと思うよ」と意味深な言葉も口にしていた。
こうした2人のやり取りを受けて、スタジオでは「爆笑問題」の太田光さん(53)が、「レギュラーのにおいがぷんぷんしますね。『また会う』との言葉を残して去って行きましたしね」とコメント。演出家でタレントのテリー伊藤さん(63)も、
「たぶん来週、TBSに来てますよ」
とのジョークを飛ばし、共演者からは大きな笑いが起きた。
「今やジャーナリズムはサンジャポにしか...」
会見へ乱入した女性へインタビューを敢行した同番組の姿勢について、ツイッターには「さすがサンジャポだな」「このえげつなさは素晴らしい」「サンジャポの取材姿勢、好きやわー」といった称賛(?)の声が続々と寄せられた。
そのほか、学長の会見に参加していたというお笑い芸人の阿曽山大噴火さんも、25日夕のツイッターで、
「30分後、私は中継で会場の外に出ましたが、おばちゃんはサンジャポの取材を受けてました。他のメディアは訝しげに見てたけど、今やジャーナリズムはサンジャポにしか宿ってないのかも知れません」
と呟いていた。