「小さなローカル空港」の場合
もちろん、地方空港が民営化すれば、すべてうまく行くとは限らない。仙台空港や福岡空港のように旅客数が多く、民営化のメリットを発揮しやすい地域の拠点空港はよいが、2018年4月に民営化した高松空港のような「比較的規模の小さなローカル空港」がどう変わるかは、不透明だ。
地方空港の民営化は福岡空港に続き、北海道内7空港、熊本空港、広島空港で具体的な検討が進む。北海道の場合、拠点空港の新千歳を中心に函館、釧路、稚内、女満別、帯広、旭川の7空港を一体的に運用する計画だ。しかし、この中には採算性の低い赤字空港が含まれ、新千歳空港の収益で穴埋めする形になる。北海道にはこの7空港以外にも北海道が管理する中標津、紋別、奥尻、利尻、礼文の5空港、さらに札幌市には防衛庁と国交省が共用する丘珠空港もあり、いずれも採算性が問題となっている。民営化にはほど遠いこうしたローカル空港の将来性は見通せない状況だ。