カップ麺の液体スープなぜ「後入れ」? 先に入れて実験したら...「なるほど!」

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   最近のカップ麺はバカにできない。お湯を入れて3~5分、お手軽にできあがるその味は、下手なお店に負けないことも。

   ある日、いつものように液体スープの袋をふたの上に乗せて、タイマーが鳴るのを待つうち、ふと思った。

   「液体スープって、だいたい3分経ってから最後に入れるけど......先に入れちゃまずいの?」

  • 液体スープの「先入れ」、実際に比べてみました
    液体スープの「先入れ」、実際に比べてみました
  • 見た目上は大きな差がないが……
    見た目上は大きな差がないが……
  • 麺のほぐれ方が確かに悪い
    麺のほぐれ方が確かに悪い
  • 液体スープの「先入れ」、実際に比べてみました
  • 見た目上は大きな差がないが……
  • 麺のほぐれ方が確かに悪い

「別にいつ入れてもええんちゃうの...」

   比較的「お高め」の製品では、スープは小袋で別添えになっている。粉末スープはお湯を入れる前に「かやく」と一緒に投入するもの、あるいは食べる直前に投入するもの、とバラつきがあるが、「液体スープ」はほぼ例外なく直前だ。

   いったいなぜなのか。同じ疑問を持つ人は、少なからずいるようだ。5ちゃんねるの「なんでも実況J」掲示板に立ったスレッド(2018年4月17日)を見ると、

「別にいつ入れてもええんちゃうの...」
「先に入れた方が麺にスープが染み込むんちゃうの?」
「無視して最初から全入れ。出来上がったらすぐ食いたいんだよ」

など、「ルール」を疑う書き込みが複数ある。

   「先に入れると、麺がほぐれません」と注意書きがある製品もあるが、ではなんでほぐれないのか。上のスレッドなどでは、「浸透圧の変化」が原因だ、などといった解説もあるが、今ひとつ具体性を欠く。

実際に試してみた

   物は試しである。

   実際にコンビニに出かけて同じカップ麺を購入し、片方には液体スープを「先入れ」、もう片方には注意書きに従って「後入れ」してみた。

   タイマーが鳴り、ふたを開けると、「先入れ」側は脂が溶け残っているのが目につく。箸でかき混ぜるが、麺のほぐれが確かに悪い。口に運ぶと――うーん。味はそれほど変わらないのだが、食感が今ひとつよくない。食べ比べるとよくわかるが、少し硬いというか、芯が残っている感じがある。特に違いが顕著だったのはチャーシューだ。「後入れ」ではしっかりと柔らかく仕上がっていたのに対し、「先入れ」は明らかにパサパサしている。

   総じて言うと、「先入れ」の方がおいしくない。やはり、食感の悪化は明確だ。味の方はそこまで著しい差はないが、あえてまたやろう、というようなものではない。

原因は「××」だった!

   それにしても、気になるのは「違い」の理由だ。

   日清食品ホールディングス広報部に尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。

「液体スープは、粉末では表現できない味などを出すために使われているのですが、そのために多くの場合、油分が含まれています。カップ麺は、乾燥させたものをお湯で復元するのが基本的な原理なのですが、先に液体スープを入れてしまうと、麺や具材の表面に油の膜ができてしまい、うまくお湯がしみこまなくなってしまうのです」

   最近は、「10分どん兵衛」など、作り方をあえて無視する、あるいはアレンジするレシピが流行りだ。しかし液体スープだけは、メーカーの注意を大人しく聞いておくのが一番らしい。

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