危険タックル、内田前監督「見てない」発言に疑義 試合映像の頭の向きは...

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   危険タックルの場面は見てなかった――日大アメフト部の内田正人・前監督による、こんな主張に対し、疑惑の目が向けられている。

   問題の試合の映像をみると、内田監督(当時、後ろ姿)の頭の向きは、危険タックルのプレーがあった場所の方へ向いているように見え、実はプレーを見ていたのではないか、といった疑問点をTBS系番組が取り上げた。ツイッターでも「頭の向き」に関する指摘が相次いでいる。

  • 別々に会見を開いた内田前監督(左、2018年5月23日)と、大塚学長(5月25日)
    別々に会見を開いた内田前監督(左、2018年5月23日)と、大塚学長(5月25日)
  • 別々に会見を開いた内田前監督(左、2018年5月23日)と、大塚学長(5月25日)

現役部員らが近く声明

   危険タックル問題で、日大アメフト部部員の父母会の代表が2018年5月24日に会見し、タックルをした選手を守るために、現役部員らが近く声明を出すことを明らかにした。TBS系ニュース(ネット版)は25日、この声明内容について、取材に応じた現役部員が「内田前監督の嘘を暴く内容になる」と話している、と報じた。

   この部員は、内田前監督が23日の会見で、危険タックルは自分の指示ではなく、問題のプレーも「見ていなかった」「ボールを見ていた」と主張したことに対し、問題の試合のビデオと照らし合わせて「矛盾点を指摘する」ことになる、と説明しているという。

   25日放送の「ひるおび!」(TBS系)では、上記ニュースを伝えた上で、問題の試合の映像を紹介。映っているのは内田前監督と見られる人物の後ろ姿なので、視線(目)の向きは断言できないが、頭の向きは、ボール方向(左)ではなく、危険タックルがあった場所(右)に向かっている、と指摘した。

   映像は、日大側エリアの背後の観客席から撮影したようで、エリアに控える日大の選手・スタッフの後ろ姿も映り、奥には、フィールドをはさんで対面の観客席も見える、「引き」で撮影されている。

   番組では、危険タックルが行われる直前から、問題プレーの場面までを巻き戻したり、時に静止画にしたり、アップにしたりして紹介した。画面の中央よりやや右手、日大エリアに内田監督(当時)と見られる人物の後ろ姿が映っている。黒っぽいシャツを着て、髪は白髪、銀髪だ(23日の会見時の内田氏も白・銀髪)。

「ひるおび!」で試合映像を分析

   一方、フィールド内では、映像の右奥が問題プレーが起きる地点だ。ボール周辺のプレー地点は左奥で、両地点間には5ヤード(約4.6メートル)ラインが3本あり、単純計算で約20ヤード(約18メートル)は離れているように見える。左奥のプレーでボールがこぼれ、右奥では危険タックルが行われる。

   その危険タックルの場面。画面上で、内田氏の頭の向きは、ボール周辺プレーの左奥ではなく、右奥方向に向いているように見える。

   内田氏以外では、内田氏からやや距離をあけた右側に井上奨コーチ(当時)と見られる人物がおり、やはり頭の向きは右奥方面だ。一方、内田氏よりやや離れた左側にいるユニフォーム姿の控え選手4、5人の頭の向いている方向は、左奥のボール周辺の方だ。

   「ひるおび!」のMC恵俊彰さんは、

「(内田氏と井上氏の顔の)向きは明らかにこっち(危険タックルの方面)を見ている」

と指摘。顔を右に向けながら、目だけ動かして視線は左に、という可能性は「あるかもしれませんが...」と、断言は避けつつ、内田氏らが危険タックルの場所方向を見ていた可能性を示唆した。

   同番組では23日にも、この「頭の向き」問題を取り上げた。25日と同様の映像を紹介し、恵さんが、内田氏らが危険タックル場所の方向を見ているようにみえる、と指摘。しかし、コメンテーターのデーモン閣下は、

「頭の角度は、ね。(しかし、本当にその方向に視線を向けているかは)証明できない」

と冷静に指摘した。恵さんが「2カメに顔を向けて、(目だけを動かし、左の)1カメを見る、みたいな?」と実演してみせると、スタジオでは笑いが起こった。恵さんは「普通はこっち(顔を向けた正面)を見てますよね」と、納得いかなそうだったが、デーモン閣下は、

「普通ならね。でも証明できない」

と、あくまで冷静だった。

井上コーチ(当時)は「見ていた」と認める

   こうした内田氏らの「頭の向き」「視線」問題は、23日頃からツイッターでも指摘され、恵さんと同様の印象を述べる人も少なからずいた。

   内田氏は23日の会見で、

「ボールを見てしまいまして、(問題のプレーは)残念ながら見ていない、というのが正直なところです」

と主張した。映像ビデオで確認したのは「3日ほどあと」で、その少し前にネットでも見たとも。一方で、試合直後に記者らに「宮川はよくやったと思ってますよ」と、プレーを確認していたような発言をした、とされる音声データが週刊文春によって公開されている。

   一方、井上前コーチは、同じ会見で、問題のプレーを見ていたことを認めている。井上氏は、頭の向きの方向を見ていたわけだ。

   危険タックルの被害選手の父親は24日、FaceBook(フェイスブック)で、「(問題場面を)見ていない」と会見で主張した内田氏に怒りを表明し、加害選手が可哀想だとして、

「前内田監督が見ているシーン、顔の向きがわかるシーン」

の映像がないか、問題の試合の観客だった人達に提供を呼び掛けた。

   今後行われる日大チームの現役選手らの声明は、どのような内容になるのだろうか。

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