日朝首脳会談の中止は、日本にも思わぬ影響がありそうだ。トランプ大統領は、会談が改めてセットされる可能性に言及する一方で、武力行使の可能性もちらつかせている。
こういった状態で不測の事態が起きて米軍が出動することになれば、その財政負担の多くを日本と韓国が「喜んで引き受ける」というのだ。
菅氏は「具体的なやり取りについては控えたい」繰り返す
トランプ氏は金正恩委員長に会談中止を通告する2018年5月24日付けの書簡で、
「あなたは自国の核能力に言及したが、我々のものはさらに巨大で強力だ。使用されることがないことを神に祈っている」
などと武力行使の可能性に言及している。
その後、開いた記者会見でも、会談中止を「北朝鮮と世界にとって後退」とした上で、米軍について「必要であれば用意は整っている」と述べた。
問題なのがその次で、日韓について
「同様に、韓国と日本は、万が一北朝鮮が愚か、あるいは無謀な行動に出た場合は、(両国が)準備が整っているだけでなく、もし不幸な事態に追いやられれば、米国の活動で生じた財政的負担の多くを喜んで引き受けると話していた」
と言及。その上で、
「北朝鮮の未来には前向きなことが起こることを願っているが、もしそうならなければ、今まで以上に準備万端だ」
などと改めて米軍の力を誇示した。
実際にこういった日韓米取り決めがあるかや、仮にあった場合、どのくらいの規模で日韓が財政負担を強いられるかは明らかではない。5月25日午前の菅義偉官房長官の記者会見でも質問が出たが、菅氏は
「米国との間で緊密なすり合わせを行っているが、具体的なやり取りについては控えたい」
などと繰り返すにとどめた。