北朝鮮は事前協議に姿見せず「すっぽかした」
その上で、崔次官の「対話を哀願しない」とは反対に、会談の再設定への期待感を隠さなかった。
「朝鮮半島と人類の平和と安定のために全力を尽くそうとするわれわれの目標と意志には変わりがなく、われわれはつねにおおらかに開かれた心で米国側に時間と機会を与える用意がある。一分は寸の始まりと言われるが、会ってひとつずつでも段階別に解決していくなら現在より関係が良くなるはずであって、より悪くなるはずがないということぐらいは米国も深く熟考してみるべきであろう」
金桂冠氏は16日に「会談を再検討せざるを得ない」とする声明を出していたが、今回の声明では、16日にはなかった「委任によって」という文言がある。今回の方が、金正恩氏の意向をより強く反映していると言えそうだ。
ただ、米国が会談中止を決めた理由は、崔次官の声明で示された「大きな怒りと明らかな敵意」の他にもあるようだ。FOXニュースがホワイトハウス高官の話として伝えたところによると、米国側は数回にわたって北朝鮮側に連絡を試みたが返事がなく、会談に向けた事前協議の場にも姿を見せず「すっぽかした」。(ホワイトハウス高官)。1週間にわたって音信不通が続き、その後初めて出た北朝鮮側の反応が崔次官の声明だったという。
信頼関係が損なわれた末の中止だったとすれば、会談の再設定にはある程度のハードルがありそうだ。