欧州や中南米、中国などが好調
原価改善、すなわち原価低減の取り組みこそトヨタの真骨頂だと、豊田社長は強調した。あらゆる職場で「固定費の抜本的な見直し」を掲げ、一つ一つの費用を精査し、自分たちの行動の「何がムダか」を考え、地道な原価低減に徹底的に取り組んだという。今後も原価低減の力に磨きをかけて「稼ぐ力」を強化し、新技術や新分野への投資を拡大すると表明した。
売上高は前期比6.5%増の29兆3795億円と2年ぶりに過去最高を更新した。グループの世界販売は1044万台と1.9%増加した。日本、北米などで減少したものの、欧州や中南米、中国などが好調だった。
2019年3月期のグループの世界販売は、アジア市場などを中心に伸びるとみており、1050万台と見込む。営業利益は2兆3000億円と4.2%減る見通し。想定為替レートを前期より6円円高の1ドル=105円に設定し、輸出採算の悪化を見込む。純利益は米法人減税の影響がなくなるため、15%減の 2兆1200億円にとどまる。売上高は1.3%減の29兆円と「減収減益」を予想する。
だが期初に保守的な見通しを発表し、徐々に上方修正していくというのがトヨタの黄金パターン。電動化、自動化、コネクティッド化など、「100年に一度の大変革」に立ち向かう投資を続けながらも、好業績を残せるはずだと多くの投資家が期待している。