高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
唯一の救いは日大学生の潔さ アメフト問題、大学人としての視点

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まさに火に油

   となると、既にネットで話題になっているが、昨(23)日の内田前監督と井上コーチの記者会見で、司会をしていた広報部職員の対応は、危機管理としてはちょっといただけない。たしかに、同じような質問が各マスコミから相次いだのには閉口した。おそらく、各社とも上司から発破をかけられてきたのであろう素人記者が発する稚拙な質問が多かった。しかし、司会を務める広報部職員のトンでもぶりは、まさに火に油であった。

   昨日の記者会見は、素人でも突っ込みどころ満載であった。一つだけ言えば、内田氏が、6日の試合の反則タックルをみておらず、9日ぐらいに「ビデオで確認」し、「その前にネットで流れているのは見た」と発言した点だ。そして、文春デジタルで公開されている試合後の発言(「あれくらいラフプレーとは言えないでしょ」など)については、とにかく選手を守ろうという趣旨だったと弁明している。

   試合後に内田氏が発言していることは、かなり早くから知られていた。その発言をレコーダーでとっていた記者も多かったが、それが週刊誌に出るのは時間の問題だった(いつもの、記者本人が出さずに週刊誌を使うという手法)。それが週刊誌で出るので、昨日の記者会見は、内田前監督と井上コーチが観念したのかと思ったら、まったく真逆であった。しかも、反則タックルを見ていない、試合数日後の9日に見たなど、簡単に検証可能な反論をしてしまった。被害届けが出ているので、刑事事件として対処したらいい。

   大学人として唯一の救いは、日大学生選手の潔さだった。日大前監督、コーチ、広報部職員に比べると格段に好印象である。彼は加害者であるが、被害者の父親のFACEBOOKのような救済の動きもある。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「大手新聞・テレビが報道できない『官僚』の真実」(SB新書)など。


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